2020 Fiscal Year Research-status Report
現象学的アプローチを用いた異文化間における科学教員の科学教育観
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18K13258
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
吉田 実久 神戸大学, 国際文化学研究科, 協力研究員 (40801593)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 科学教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、現在の日本の学校教員が持つ「理科・科学の学習観」を、他国の学校教員のものと対比させながら、日本の文化的特徴を明らかにし、これからの教育において重要とされる「主体的・対話的で深い学び」と比較しながら、教員自身が自らの学習観を振り返りつつ、専門的成長へと繋げていくことの出来る方策を検討することである。 昨年度までの研究から、デンマーク・南アフリカの科学教員と比較して、日本の科学教員が「分かる・理解する」ことを教える中で重要視していることがわかった。その一方で、学びを楽しむといった情緒面や、日本で学力の要素として示された三つの柱の一つである「学びに向かう力」をどのようにして学習者が主体的に関わりながら身につけ、持続的に育んでいくのか、その方策に関する振り返りが不足しているのではないかとの仮説を立てた。 その上で、現在日本の科学教育で重要視されている「主体的・対話的で深い学び」を実現するにあたり、学びを楽しみ、それを学校卒業後も継続し、さらに社会の中で応用していく基盤となる情緒的な側面をはぐくむ方策を検討することにした。 今年度は、それらを元にオンライン授業においても、主体的にSTS(科学・技術・社会)の問題に関わり、対話を通して問題解決に向けて検討するグループワークを実践した。その中で明らかになった課題や問題点を詳細に分析していくこと、また、その中で現象学的アプローチにどのような有用性があるのかを検討することを今後の課題とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、調査を予定していたイベントの休止や延期が重なり、研究計画の見直しを余儀なくされたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も引き続き新型コロナウイルスの影響で、大学および学校における学びの現場が変化することに伴い、オンライン上でも大学生が学びを楽しむという情緒面がどのような要素を元になりたっているのか、個別のケースを分析する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、調査を予定していたイベントの休止や延期が重なり、研究計画の見直しを余儀なくされたため。 研究内容変更に伴う先行研究レビューのための書籍購入、学会参加、論文投稿関連費用などに使用する予定である。
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