2019 Fiscal Year Research-status Report
Application of solar thermal desalination device to technical education materials
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18K13260
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
實野 雅太 東京農業大学, その他部局等, 助教 (80808105)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 淡水化装置 / 太陽熱 / 再生可能エネルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
再生可能エネルギーを多角的に学ぶ教材は少なく、その多くが発電を行う内容のものである。そこで、太陽熱を発電以外の方法で有効的に利用する教材の開発を目的としている。そのために、太陽熱淡水化装置の試作を行い、蒸発量の測定からエネルギー変換効率の計算を行った。その結果、43.9%のエネルギー変換効率であった。通常の太陽光発電などと比較してもエネルギー変換効率としては高いものであった。また、吸熱部として使用している真空管は二重ガラス構造となっており、表面は冷たいが内部では沸騰が盛んに起こるため、生徒にとっても視覚的に興味を引く教材となりうる。この結果を元に太陽熱を用いた淡水化装置の教材開発として論文を投稿し、2020年6月発刊の日本産業技術教育学会誌第62巻第2号に掲載されることとなった。 しかし、ガラス製の真空管は空焚き状態から水を入れると破損するなど、繊細であることからより安全に使用できるようヒートパイプで熱を取り出す形に設計を変更してみた。その際に平板型の太陽吸熱器を応用して熱交換の実験を行った。その結果、エネルギー変換効率は最大で30%と真空管使用時と比べて低い値となった。このことから真空管を使用していく方がよいと考えられた。 また、学校教材として生徒が実験や観察から学ぶなどの教育効果を検証するためには小型化が重要であり、太陽熱淡水化装置の吸熱管である真空管を試作機よりも短くするなどの改良を今後は検討しなくてはならない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エネルギー変換効率の測定実験から、中学校技術科で学習する「Cエネルギー変換の技術」の内容と真水を得るという環境教育・防災教育の側面から日本産業技術教育学会に論文を投稿し、2020年6月号に掲載されることとなった。しかし、新型コロナウイルスの影響で学校現場が混乱しており、教材としての教育効果を検証することが計画しにくくなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、学校教材として使えるように小型化を図っていく。そのためには太陽熱淡水化装置のキーテクノロジーである真空管を小型のものにして、生徒が安全に使用できるよう教材開発を行う。また、エネルギー変換効率を上げるために構造の改良なども併せて行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
物品が安く入手できたことにより残額が発生した。次年度の物品購入費や旅費として全額の使用を予定している。
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Research Products
(2 results)