2020 Fiscal Year Research-status Report
Application of solar thermal desalination device to technical education materials
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18K13260
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
實野 雅太 東京農業大学, その他部局等, 助教 (80808105)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 淡水化装置 / 太陽熱 |
Outline of Annual Research Achievements |
太陽熱淡水化装置はこれまで太陽熱温水器の吸熱管を使用し、内部は沸騰しているが吸熱管の表面は冷たいという現象を視覚的・感覚的にも体感させることができるものであった。また、試作した装置で蒸発試験を行い、精製できる水の量の測定を行い、日本産業技術教育学会に投稿論文が掲載となった。 しかし、吸熱管は真空断熱をしているが、ガラス製であり安全性や持ち運びやすさなどの観点からは学校現場で難しさがあった。 そこで、平面型の太陽吸熱器を用いて熱を集め、パンの中に張った水を蒸発させるベイスン式に改良を進めることとした。そのために平板型の太陽吸熱器をサンジュニア株式会社より取り寄せ、改良を試みた。ただ、この太陽吸熱器はサイズが縦横1000×1000mmであったため、受光面積があるため熱の吸収効率は高いものの、重量が大きいものであった。そのため、太陽吸熱器を1/4のサイズ(縦横530×610mm)の特注サイズで製作してもらい、それに合わせて改良器のその他の部品のサイズも検討していくこととした。 製作の前段階として、特注サイズの太陽吸熱器で得られる日射量(最大で300Wほど)で水はどれほど蒸発するのか調査した。電熱線のシーズヒーターを用いて水温を上昇させ、蒸発量を測定した。電圧を変圧器を介して上昇させ、電流も測定することで300W付近を保つようにした。その結果、300Wであれば1時間程度で水温を60℃近くまで上げられ、蒸気も豊富に発生させられることが分かった。これにより改良器の能力で水を沸騰させなくても真水の精製を行っていけると判断した。今後は、改良器の作製し、真水の精製量を調査する。 コロナ禍で学校現場での実践報告までが目標であるので、学校現場で使用できるよう検討も進めなくてはならない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスにより大学への入構が制限され、装置の改良等に遅れが出ている。また、学校現場での使用は当面の間は難しいと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
学校現場でも安全性の高い装置へ改良を行う。ベイスン式にすれば装置は大きくなるものの安全な使用ができるものと考える。これに加えて、これまでのガラス製の吸熱管を用いた淡水化装置も小型化を図り、より小回りの利くものへ改良を行っていく必要もある。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスにより遅れが出たため、今後の改良器の製作費として使用していく。
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Research Products
(1 results)