2021 Fiscal Year Annual Research Report
Application of solar thermal desalination device to technical education materials
Project/Area Number |
18K13260
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
實野 雅太 東京農業大学, その他部局等, 助教 (80808105)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 淡水化装置 / 太陽熱 / 技術科教材 / 自然エネルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
中学校技術科において自然エネルギーの利用について教科書では発電の仕組みにしかなく、生徒に多角的な視点からの自然エネルギーの利用について教材が少ない状況にある。そこで、太陽熱を利用した淡水化装置を例に教材開発を行うこととした。真水を作ることを通して普段使用している水がどのようにエネルギーをかけて精製されているか、また世界ではどれだけ飲用可能な水にアクセスできる環境が少ないかといった環境教育の意義も大きい。 本研究では淡水化装置の試作から学校での授業実践までを目的としていた。しかし、コロナ禍により学校現場に入ることが難しくなったため、装置の試作と改良に注力することとした。
初年度から真空吸熱管を利用した淡水化装置の試作機でエネルギー変換効率の測定を行った。その実験からエネルギー変換効率は43.9%であった。太陽電池などのエネルギー変換効率と比較すると高い数値であるが、水を蒸留するためにはまだ低い状況と言える。また、真空吸熱管は教材として内部で沸騰状態でありながら表面は熱くないという体感型の教材として有効性もあるものの、ガラス製のため空焚き状態になると水を入れた際に割れるといった安全面に課題があることが分かった。この結果は日本産業技術教育学会にて投稿し論文となった。 最終年度はより安価で安全な装置の試作を目指して改良を行った。これまで考えてきた蒸留の方法では沸騰状態まで持って行かねばならず、エネルギー損失が大きかった。また、沸騰した高温の水を生徒に扱わせることに危険性があったため、沸騰させずに蒸気を発生させる温度を目指して太陽熱を集めることを考えている。今後もより改良を重ねていくことを検討している。
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