2020 Fiscal Year Research-status Report
高専の長期一貫教育を生かした地域課題解決型授業の開発とステークホルダーへの影響
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18K13265
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Research Institution | Gifu National College of Technology |
Principal Investigator |
川端 光昭 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (40795176)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 公共交通 / モビリティ・マネジメント / コロナ禍 / 授業実践 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は,国外調査事例の調査と整理を予定していたが,コロナ禍による渡航制限によって,授業実践のさらなる蓄積に予定を変更した.具体的な成果の概要は以下のとおりである.
令和2年度は「コロナ禍における公共交通」をテーマに,高専低学年を対象にした授業実践と授業成果の分析に取り組んだ.具体的には岐阜高専環境都市工学科2年次学生を対象に,新型コロナウイルス感染症の拡大の状況において,1)公共交通を利用することへの恐怖心や気をつけるべきこと,2)コロナ禍で公共交通利用者が急激に減少していることを踏まえた自分や社会への中長期的な影響について考えさせる内容である.コロナ禍に関わる情報の多寡によって学生の考えも大きく異なると考えられることから,授業ではコロナ禍の国内・国外の状況について最新情報を用いて可能な限り客観的に伝えることで,受講学生全体の基本的な知識の足並みを揃えた.この際,公共交通の利用促進の必要性を積極的に訴えるような誘導的な授業とならないよう十分に配慮した.基本的な情報提供を行ったうえで,学生個別にレポート課題に個別に取り組ませた.これらの授業実践とその分析に関わる研究成果については,査読付論文として投稿準備中である.
なお,過年度から継続して公共交通以外の都市交通問題に関する授業実践の準備も進めている.具体的には低学年の学生にも興味を持ってもらうための手法として,視線解析技術や交通シミュレーションの分析結果などを組み込んだ内容である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
低学年向けにモビリティ・マネジメントに関わる授業実践に取り組み,その成果について学術誌に投稿準備中である.一方,当初計画ではモビリティ・マネジメント教育の事例について国外調査を予定していたが,コロナ禍の長期化のため見送ることとなった.令和2年度の予定は当初計画から大きく変更してはいるものの,令和元年度までに前倒しで研究成果の蓄積と公表を済ませており,研究目的の達成に向け概ね順調に進捗していると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は本研究課題の最終年であることから,上半期は,モビリティ・マネジメントに関わるテーマでの授業成果を蓄積し,下半期はこれまでの成果のとりまとめと課題の整理を行う予定である.
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Causes of Carryover |
旅費が大幅に未使用となったため次年度繰越金が発生した.令和3年度も国外旅費での支出は困難であると思われることから,繰越金は交通シミュレーションソフトの購入費用などにあて,その分析結果を学生の興味関心を高める授業資料の材料として活用する.
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