2021 Fiscal Year Annual Research Report
Estimating human behavioral rules in cooperation: a computational modeling approach
Project/Area Number |
18K13276
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
堀田 結孝 帝京大学, 文学部, 准教授 (90725160)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 協力 / 計算論モデル / 経済ゲーム / 互恵性 / 向社会性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、実験データの解析を通して、協力の文脈における人間の行動パターンをモデル選択のアプローチから探ることにある。2021年度は、これまでの研究のフォローアップを目的とした研究の実施と論文の執筆に着手した。 これまで着手した研究結果から、囚人のジレンマゲームの文脈においては相手の行動のみに反応する単純な互恵モデルよりも、自分と相手の前回の行動の両者を考慮するモデルが実験データに対する当てはまりが高いことが示されていた (Horita, 2020)。単に相手が協力したかよりも、相手の協力に対する事前の期待と、その期待と一致あるいは反する相手の行動の結果が、その後の協力確率の変化に重要な役割を果たす可能性にある。他者に対する非協力傾向の過度な見積もりが協力の意思決定に影響力を有する可能性を示唆する最近の研究動向も踏まえ(Raihani & Bell, 2018)、先制攻撃ゲーム(Simunovic et al., 2013)や社会的価値志向性(van Lange et al., 1997)の測定課題などを利用して、他者の非協力傾向の予測とその予測がその後の行動に及ぼす影響を探る目的の研究課題に着手した。クラウドソーシングを利用して、大規模サンプルを対象にいくつかの実験を実施した。実験の結果、実験ゲームでの非協力行動と強く関連すると近年注目されているパラノイア傾向(Raihani & Bell, 2018)や相手の競争的動機の過度な推測が、参加者自身の協力や信頼行動の生起及び抑制を説明する上で重要な変数として作用している可能性が示唆された。研究成果のうち一つは、Frontiers in Psychologyに掲載された。その他の研究についても、成果を論文としてまとめている。
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