2018 Fiscal Year Research-status Report
Effects of clothing in the social contexts: The moderation processes of self-cognition.
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18K13282
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Research Institution | Seisen Jogakuin College |
Principal Investigator |
石井 国雄 清泉女学院大学, 人間学部, 准教授 (40705208)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 社会的認知 / 被服認知 / 自己 / ジェンダー・ステレオタイプ / ピンク / 自撮り |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度においては,以下の実証研究を行った. 1)自撮りと心理的特性の関係性に関する研究 自撮りとジェンダー関連特性などの心理的特性との関連を調べるための実験を行った。女子大学生を参加者とし,自撮りの場面を動画で撮影するとともに,いくつかの心理尺度に回答を求めた。現在,動画解析を実施中である。 2)ピンクの被服が女性の自撮りに及ぼす影響 女子大学生59名を対象として,女性らしい被服(ピンクの衣服)と自撮り行動の関連性について検討を行った。参加者にピンクの衣服(エプロン)または黒の衣服を着用してもらった後,ipodで自分自身を撮影してもらった。あわせて,女性的・男性的自己概念について,質問紙およびIATを用いて測定した。結果として,低自尊心の女性参加者において,ピンクの衣服を着た場合に上の方向から自分を撮影する傾向がみられ,女性らしさの自己呈示行動が生じたことが示唆された。また,伝統的な女性的特性(肯定的共同性)や潜在的な女性らしさ自己概念が強いほど,上の方向から自分を撮影することも見出された。これらから,現代の女性において自撮りの角度が女性らしさと結びついており,女性らしい衣服の着用によってその行動が生じる可能性が示唆された。研究結果の一部は2019年2月のSPSP Annual Convention(Portland, USA)にて報告した. 3)「ピンクの衣服が自己認知と摂食行動に及ぼす影響」に関する研究結果を2018年9月の日本心理学会(東北大学)にて報告した。現在,追加実験を実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度は自撮りに関するいくつかの研究に取り組み,一定の成果を得るとともに,研究成果の公表を行ったため。 1)女性を対象とした自撮り行動に関するいくつかの研究を実施し,成果を報告した。 2)男性を対象とした自撮り行動に関する予備的研究を実施した。 3)自撮り時の行動解析(動画解析)については現在継続中である。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度には,実施した実証実験のデータ解析を進めていく。それとともに,追加実験を実施し,実験結果の頑健性や再現性を確認していく.また,これら実証実験実施と並行して,学会発表・論文執筆を行っていく予定である.
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Causes of Carryover |
当初計画で,2018年度に学会参加のための旅費を計上していたが,当初想定した金額より旅費を低く抑えることができたため,実験のための予算として2019年度に繰り越すこととした.
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Research Products
(4 results)