2019 Fiscal Year Research-status Report
Effects of clothing in the social contexts: The moderation processes of self-cognition.
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18K13282
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Research Institution | Seisen Jogakuin College |
Principal Investigator |
石井 国雄 清泉女学院大学, 人間学部, 准教授 (40705208)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 社会的認知 / 被服認知 / 自己 / ジェンダー・ステレオタイプ / ピンク / 自撮り / 色彩 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度においては,以下の実証研究を行った. 1)ピンクの衣服が自己認知と摂食行動に及ぼす影響 女子大学生27名を対象として,女性らしい被服(ピンクの衣服)と摂食行動の関係を検討する実験を再度行った。結果として,ピンクの衣服を着用した女性は公的自己意識が高いほど摂食行動が減少することを示唆する結果が得られたが,顕在的・潜在的自己意識の影響は見られず,結果は再現しなかった。 2)衣服の色がパーソナルスペースに与える影響 女子大学生25名を対象に,他者の着用する衣服の色の違いによって,不快に感じる距離(パーソナルスペース)が異なるかを検討した。その結果,白や黄色といった明るい色の場合にはパーソナルスペースが小さくなる一方で,赤や黒といったはっきりした色の場合には大きくなる傾向がみられた。 3)ピンク・青に関する潜在的ステレオタイプの検討 大学生男女85名を対象として,IAT(Implicit Association Test)を用いて,ピンクと青に対する潜在的ステレオタイプの内容についての検討を行った。その結果,「ピンクは女性」「青は男性」という色とジェンダーとの連合がみられたが,「ピンクは共同性」「青は作動性」といった色とジェンダー・ステレオタイプとの連合については見られなかった。 4)自撮りと心理的特性の関係性に関する研究 自撮りとジェンダー関連特性などの心理的特性との関連を調べるための実験については引き続き,動画解析を実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は被服と色に関するいくつかの研究に取り組み,一定の成果を得るとともに,研究成果の公表を行ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度には,実施した実証実験のデータ解析を進めていく。一方で,実証実験については,新型コロナウィルス感染症の対策のため,実験室実験の実施が困難になったため,オンライン実験など方法を模索する.また,これら実証実験実施と並行して,学会発表・論文執筆を行っていく予定である.
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Causes of Carryover |
実験者の人件費を計上していたが本年度は不要であったため,次年度の実験実施における人件費として使用する。
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Research Products
(5 results)