2020 Fiscal Year Research-status Report
Understanding and improving interactive process between cognition and motivation in collaborative learning
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18K13295
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 瑛津子 名古屋大学, 博士課程教育推進機構, 特任助教 (10754947)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 協同学習 / 動機づけ / 協働 |
Outline of Annual Research Achievements |
交付申請書では、中学生を対象とした実験・実践により協同学習のプロセスについて検討を行うこととしていたが、コロナ禍でますます実施が難しくなったこともあり、対象を大学生に絞って研究を進めた。当該年度には、昨年度までの成果の論文化と次年度に向けた質問紙調査、実践研究の準備を進めた。 質問紙調査では、これまでの協同学習プロセスの質的な分析から得られた示唆を踏まえ、「異なる意見が出た時の対応」に着目する。協同中に異なる意見が出た時、相手と自分の意見がなぜ異なるのかを探るような発話をする場合には、お互いの認知状態の差を埋めるとともに、自分が気づいていない着眼点等についての知識を新たに獲得することにつながるため、協同的問題解決が促進される。質問紙調査では、「異なる意見が出た場面」の文脈を提示し、そこでどのような発話を行うかを回答してもらう。また、協同学習に対する認識、意味理解志向についても調査し、それらの関連について検討する。本研究により、認知的不協和が起きた際の行動により、協同に対する動機づけがどう変化するのか、また学習に対する一般的な姿勢である意味理解志向が協同中の行動にどのように影響するのかについて、示唆が得られる。 実践研究では、大学生を対象に「プロジェクトマネジメント」として授業を行い、協同学習に対する認識の変化にどのような影響を与えるかについて検討する。この授業では、異分野の大学生がグループを組み、一つのプロジェクトの計画を立てる。授業の前半ではまず何も教示せずにグループで話し合いを行ってもらったあと、その経験を振り返りながら話し合いのコツを教示する。授業の前後に協同学習に対する認識について調査し、事前事後の変化を検討する。本研究により、これまでの協同学習に関する知見を教示することで、大学生の協同のあり方と認識がどのように変化するのかについて示唆が得られる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
産後休暇、育児のため。またコロナ禍で保育園に預けず在宅勤務をした期間もあり、業務が後半にずれこみ、研究のための時間が十分に取れなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
出産のため予定が遅れているが、一年の延長手続きをしているので、今後着実に進めていく。当初予定していた学校との協働は、コロナ禍の影響で2021年度以降も実施が困難であると思われる。そこで、大学生を対象とした質問紙調査と実践研究を行う。
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Causes of Carryover |
今年度は産後休暇、育児のため研究の執行が遅れ、質問紙調査および実践研究の計画にとどまった。これらの研究実施は次年度(2021年度)に行う。
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