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2020 Fiscal Year Research-status Report

スクール・エンゲージメントを促進する対人ネットワーク機能の検討

Research Project

Project/Area Number 18K13304
Research InstitutionJuntendo University

Principal Investigator

吉武 尚美  順天堂大学, 国際教養学部, 准教授 (40739231)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywordsスクール・エンゲージメント / 縦断調査 / メンタルヘルス / 学業成績 / 対人ネットワーク / 不登校予防 / 学校段階
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は,学校生活への参加態度を指すスクール・エンゲージメントという概念に注目し,行動(クラス参加,学校行事の参加,規則順守など),情緒(ポジティブ感情,居場所感など),認知的(学習への投資,自律的学習など)側面からアセスメントすることにより,中高生の学校生活への意欲の向上や不登校予防に資する対人支援のあり方を検討することである。今年度の成果は以下の通りであった:
①School Engagement Scale (Fredricks, et al., 2005)の日本語版を作成し,信頼性および妥当性を確認した。論理的な因子構造,QOL尺度や学業成績との並存妥当性が確認され,我が国の中高生の適応の指標として実証的に使用可能であることが示された。2020年9月の日本心理学会で結果を発表した。
②我が国の中高生のスクール・エンゲージメントの実態を把握するとともに,スクール・エンゲージメントの3側面と身近な対人関係との関連を明らかにした。中高を横断的に見ると情緒的エンゲージメントは安定していたが,行動的,認知的エンゲージメントは学年を経るごとに下降傾向にあった。また,高校生の行動的・認知的エンゲージメントは母親との葛藤と関連し,中学生の情緒的エンゲージメントは担任との関係性と関連した。結果は2020年9月の日本教育心理学会で発表した。
③対人関係の質がネット利用行動を介してスクール・エンゲージメントに影響するという仮説の検証を行った。成果は2021年度7月に予定されている32nd International Congress of Psychology大会で発表する。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2019年度には7月に実施した第1波調査に高校1校,中学3校の協力が得られたが,その後の新型コロナウイルスの影響で2020年2月に予定していた第2波調査の参加は中学校2校にとどまった。さらに2020年7月に予定していた第3波の調査協力が得られたのは中学1校のみとなった。サンプル数の減衰を補完するため2020年12月に別のサンプルでの調査を試み,関東地方の教育委員会に打診をしたが,感染流行を理由に実施は見送られた。したがって,当初予定していた中学と高校生の3時点縦断調査が完成せず,既に収集したデータの分析に傾注することを余儀なくされている。

Strategy for Future Research Activity

2021年度には2時点および3時点の回答が得られた中学生のデータをもとに,それぞれのデータの特徴を踏まえた分析を行う。我が国初のスクール・エンゲージメント研究として多角的な知見を学会ならびに論文として国内外で発信する予定である。
現在以下の分析が進行中である:
①縦断調査データの分析:2時点の調査協力が得られた中学2校,および3時点の調査協力が得られた中学1校のデータをもとに,(i) スクール・エンゲージメントの時間的推移の検討,(ii) 対人関係との因果関係の分析を行う。
②学校環境要因の検討:スクール・カーストとキャラ行動に焦点を当て,スクール・エンゲージメントとの関連性を明らかにする。

Causes of Carryover

理由は主として2点あげられる。1点目は,新型コロナの影響により2020年度には質問紙調査を実施できた学校が当初予定の4分の1となり,調査票の印刷やデータ入力に計上した必要経費が少なくて済んでしまったこと。2点目は2つの国際学会への参加を予定していたが,中止または延期となったためである。
今後の使用計画としては,収集済みデータの分析結果について国内外での学会発表,および論文化にともなう校正費,投稿費用を見込んでいる。

  • Research Products

    (2 results)

All 2020

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 日本語版スクール・エンゲージメント尺度の実証的検討2020

    • Author(s)
      吉武尚美
    • Organizer
      日本心理学会第84回大会
  • [Presentation] スクール・エンゲージメントと身近な対人関係の関連:中高生の違いに注目して2020

    • Author(s)
      吉武尚美
    • Organizer
      日本教育心理学会第62回総会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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