2019 Fiscal Year Research-status Report

心理教育プログラム実施過程における「自己の強みの受け容れ」に関する研究

Research Project

Project/Area Number	18K13307
Research Institution	Hyogo University of Teacher Education
Principal Investigator	森本哲介兵庫教育大学, 学校教育研究科, 講師 (90780966)
Project Period (FY)	2018-04-01 – 2022-03-31
Keywords	ポジティブ心理学 / 強み / 強み受容 / キャリア形成 / ウェルビーイング / 心理学的介入プログラム
Outline of Annual Research Achievements	本研究では，ポジティブ心理学の中でも中核的な研究の１つである、強みについて、強みを中心とした介入プログラム実施における「強みを受け入れる」過程に注目して、強みの受容概念について検証を行っている。本研究の目的は、①強みの受容を構成概念化し，強み受容の基礎的研究として小・中・高・大・就労後の発達的変化や，強み受容をしにくいものがどの程度存在するかを明らかにする。② 強み受容がウェルビーイングに与える影響過程を明らかにする。③自己の強みの受容を促進する工夫をしたSBPを実施し，その成果を検討する。これらのうち、 2019年度は①と②に焦点を当てて、以下の研究を実施した。まず、2018年に実施した強みに基づく心理教育プログラム参加者へのインタビュ―の結果に基づき、強み受容尺度の項目を新たに作成した。強み受容尺度について、関西および関東の大学生を対象に調査を行い、項目の精緻化、既存の強み関連尺度との異同比較、信頼性と妥当性の検証、強みに基づく心理教育プログラムの強み受容得点による効果の比較の検証を試みた。この中では、自分の強みを受け入れやすくする要因だけでなく、自分の強みを受け入れにくくする要因についても検討された。また、強み受容尺度と、ウェルビーイングとの関連について、心理的幸福感や本来感といった健康的側面と、自己愛や他者軽視といった対人関係上ネガティブになりやすい心理変数との関連を検討した。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned. Reason 当初の研究計画の中で、７項目中３項目を実施した。2019年度は所属機関の変更があり、当初予定していた研究の順序を入れ替え、ウェブ調査を実施せずに、アンケート調査と、心理プログラムの実践を優先した。2020年度には、ウェブ調査を実施する予定である。
Strategy for Future Research Activity	①作成した強み受容尺度を用いて小・中・高・大学・就労後の各段階において調査を行い，強み受容の低い者がどの程度の割合で存在するのか，各発達段階において『強み受容』の程度に差がみられるかを明らかにする。調査対象者の範囲が広いため、ウェブを利用した調査を想定している。
Causes of Carryover	2019年度は、所属勤務先の変更に伴いオフィス関連機材を購入したため、ウェブ調査を実施できなかった。2020年度にウェブ調査を実施する予定であり、残金はウェブ調査のために充当する。