2018 Fiscal Year Research-status Report
子どもとロボットとのコミュニケーションを促進する要因の検討
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18K13309
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伴 碧 大阪大学, 基礎工学研究科, 特任助教(常勤) (30755658)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 子ども / 相互作用 / ロボット / 描画 |
Outline of Annual Research Achievements |
今日,ロボットを教育や療育ツールとして応用することが注目されている。生活のなかにロボットを導入するうえで,ロボットの見た目や動きを人らしく擬人的に作り込むことで,ユーザーと自然なコミュニケーションを取ることが期待されている。しかし,実際に擬人的に作り込まれたロボットを教育現場に導入しても,子どもがロボットを怖がったり,飽きるといった問題が挙げられている。このように本来の設計の意図とは逆に,見た目や動きの機能を充実させロボットに人らしさを与えることは,ユーザーとの自然なコミュニケーションを阻害している。 そこで本研究では,見た目や動きによってロボットに人らしさを与えるのではなく,ロボットの人らしさを引き出す「関わり方」に焦点を当て,下記の2点について明らかにする。(1)ロボットとどのような関わり方をすることが,ロボットに対する擬人化を引き出すかを検証する。(2)他者とコミュニケーションを取ることが苦手な自閉スペクトラム症児においても,実験1で明らかとなった関わり方を持つことで,ロボットに対する人らしさ擬人化を引き出すことが出来るか検証する。 2018年度は,3歳から6歳までの幼児約60名を対象に,(1)ロボットとどのような関わり方をすることが,ロボットに対する擬人化を引き出すかについて,実験室における検証を行った。なお,ロボットと関わる前後でロボットを描画した際に,目のような人に近い特徴を付与したか」を擬人化を引き出したかの指標とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに約60名の幼児を対象に,(1)ロボットとどのような関わり方をすることが,ロボットに対する擬人化を引き出すかについて,実験室における実験に参加してもらった。その結果,ロボットとのリズム相互作用を行った群は,リズム相互作用を行わなかった群と比較して,ロボットの描画を行った際に,ロボットに対する擬人化が生じることが示された。つまり,これまでの実験結果より,リズム相互作用が擬人化を引き出す可能性が示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,擬人化を引き出す要因を明確にするうえで,リズム相互作用群の幼児の行動について詳細な分析を行う。 また,(2)他者とコミュニケーションを取ることが苦手な自閉スペクトラム症児においても,実験1で明らかとなった関わり方を持つことで,ロボットに対する人らしさ擬人化を引き出すことが出来るかについても,併せて検証を行う。
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Causes of Carryover |
幼児の行動の詳細な分析を行う際に,分析ソフトを購入予定であったが,2019年度に分析を行うことになったため,その分の予算,ならびに分析にかかる謝金を次年度に繰り越した。
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Research Products
(1 results)