2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Problem Behaviors and Teachers' Guidance of Students in the Transition from Childhood to Adolescence
Project/Area Number |
18K13311
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
金子 泰之 静岡大学, 教職センター, 講師 (00710641)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 学校適応 / 縦断調査 / 教師の関わり / ソーシャルサポート |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,中学1年生から中学3年生までの3年間の縦断調査となっていた。この調査は,小学校4年生から小学校6年生までを追跡して調査した「小学生の問題行動とそれを抑制する教師の関わりの関連(研究課題番号:26780373)」のデータセットの延長線にあるものである。したがって,すべての調査が実施されれば,小学校4年生から中学校3年生までの6時点縦断データが得られる調査であった。2020年3月の新型コロナウィルス拡大による一斉休校の影響により,データを収集できなかった年があったため,最終的には5時点の縦断データが得られた。そこで,5時点の縦断調査を分析した。 その結果,学校適応の指標である学校享受感の変化をみると,小学4年,5年,6年の学校享受感の得点は,中学1年,中学3年の得点よりも高かった。次に,生徒指導に関する教師の関わりのうち,能動的関わりの変化をみると,小学4年生と中学3年生は,小学5年と小学6年よりも能動的関わりの得点が高かった。事後的関わりの変化をみると,小学4年生と中学3年生は,小学6年生よりも事後的関わりの得点が高かった。学習面の関わりの変化をみると,小学4年生は,小学5,6年と中学1年よりも高かった。また中学3年生は小学5,6年よりも得点が高かった。対人関係のうち,友人からのソーシャルサポートは,中学1年生は,小学4,5,6年よりも得点が低かった。家族からのソーシャルサポートは,中学1年と中学3年は,小学4年と5年よりも得点が低かった。 学校享受感については,小学校段階から中学校段階への移行にかけて,低下していく傾向が明らかとなった。能動的関わり,事後的関わり,学習面の関わりなど教師の生徒指導については,小学校高学年から中学2年までの間で低下し,その後,中学3年にかけて上昇する傾向が明らかとなった。
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