2022 Fiscal Year Research-status Report
児童を対象とした捜査面接においてクローズド質問を効果的に用いる方法の開発
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18K13312
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Research Institution | National Research Institute of Police Science |
Principal Investigator |
久原 恵理子 科学警察研究所, 犯罪行動科学部, 主任研究官 (00462755)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | クローズド質問 / 選択式質問 / 誘導質問 / 分からない反応 / 捜査面接 / 発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、昨年度に子ども(年長児と小学2年生)を対象として実施した実験の分析を行った。本実験では、誤った選択肢を2つ提示する誤誘導選択式質問(正答がAの時に「B?それともC?」と尋ねる。)に対して、「分からない」と回答する理由が異なる誤誘導選択式質問を用意し、理由を区別して回答できるよう促すための効果的な教示方法を検証した。教示方法として、①ルールを説明するのみ、②ルールの説明と練習問題をする、③カードで回答する、の3つの条件を設定した。分析の結果、質問に理解できない言葉が含まれていた場合には、3つの条件とも適切に「分からない」と回答できた。しかし、質問されたことを見たり聞いたりしていないために回答できない場合には、条件①、②よりも、条件③のようにカードを用いたほうが適切に回答できることが示された。 さらに今年度は、本実験に追加して行った別の実験のうち、子どもの指の名称の理解に関する調査の分析も行った。子どもの指を含む身体名称の理解の発達を明らかにすることは、子どもに対する捜査面接に資する知見となるためである。分析の結果、小学2年生よりも年長児のほうが幼児語(お父さん指、お母さん指等)で回答することが多いことが示された。さらに、年長児だけではなく小学2年生においても、人差し指、中指、薬指の正答率が低いことが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験データの分析を行い、結果の一部を論文にまとめて投稿したため。また、本課題と関連する内容の論文を執筆し、投稿したため。
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Strategy for Future Research Activity |
実験データの分析結果をまとめ、学術学会で発表する予定である。さらに、論文を執筆して投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
分析の結果について、学術学会で発表しなかったため差額が生じた。 次年度使用額は、学術学会での発表等に使用する予定である。
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