2021 Fiscal Year Research-status Report
Clarification of Tics and Sensory Phenomena through behavioral therapy of tics and behavioral experiment
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18K13317
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Research Institution | Shirayuri University |
Principal Investigator |
松田 なつみ 白百合女子大学, 人間総合学部, 講師 (20814685)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | トゥレット症 / チック / 認知行動療法 / 行動実験 / 前駆衝動 / 質問紙研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.これまでのチックへの行動療法事例のまとめと前駆衝動の変化の検討:チックへの行動療法の治療機序を検討するため、チックへの行動療法事例の詳細な評価をまとめ、前後で比較した。PUTS(Premonitory Urge for Tics)によって測定されたチックの前駆衝動は、介入後に下がっている当事者もいれば、返って上昇している当事者も存在した。 2.チック症状自記式尺度(MOVES)の信頼性・妥当性の検討とその発表:原著者への許可を得て作成した日本版チック症状の自記式尺度(MOVES)の信頼性および妥当性の検討を行った。6つの下位尺度間の信頼性係数も概ね高く、20項目全体の信頼性係数もα=.90と高かった。MOVESの運動チック、音声チック、チック症状合計は、チック症状の半構造化面接であるYGTSSの運動チック、音声チック、チック症状合計とそれぞれ高い相関を示し(r=.56~.70)、各尺度の音声チックと運動チックは相関しなかった。また、日本語版PIで測定される強迫症状とMOVESの強迫症状の下位尺度も高い相関を示した(r=.71~.83)。ここから、MOVESがトゥレット症に特有な強迫症状とチック症状の両方の重症度を簡便に測定できる尺度であることが示唆された。 3.保護者及び当事者のチック症状自記式尺度(ATQ・PTQ)日本語版の作成:MOVESは各チックの重症度の変化には敏感でなく、一種類ずつのチックに介入していくCBITによる介入効果を十分に測定できないという欠点がある。そのため、欧米でCBIT実施時に評価されることの多いチックの自記式尺度であるATQ及びPTQの日本語版の作成を原著者に許可を得て行った。 4.CBITの継続的な実施とRCTに向けた準備:CBITの希望者に対して、引き続き介入及び評価を行い、データの蓄積及び今後の介入計画の見直しを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度中に、「今後の研究の推進方策」に書かれている論文化を進める予定だったが、3つの論文を並行しつつ、実際にはどれも中途半端になり、進めることができていない。一方で、チック及びトゥレット症に特有の強迫症状の自記式重症度尺度である日本語版MOVESの信頼性・妥当性の検討や、チックの種類別の重症度を測定できる自記式尺度(PTQ・ATQ)日本語版の作成等、CBITのRCTを行うための準備を着実に進めることができた。またCBITを継続的に行い、地道に事例を積み重ねることができた。そのため、やや遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.チック症状への対応内容の質問紙の解析と論文化:2019年度に実施したチックへの日常的な自己対処(おさえる、感覚を解消しようとする、今ここへの集中等)とQOL、PUTS等を評価した質問紙研究。今年度中に下書きを書きできれば投稿までする予定。
2.チックと前駆衝動の行動実験の再解析と論文化:博士課程中に初めて、まだ論文化ができていないデータ。途中で国際学会などで発表し、協力者の人数は少ないながらも一定の評価をいただいた研究であり、人数を増やしてから発表しようとしたもののそのままになっていた。不十分であっても現段階のもので執筆、投稿する予定。
3.これまでのCBIT事例の整理と論文化:これまでCBITの介入研究に協力をしてくださった方々の事例をまとめ、詳細な臨床指標の検討及び介入の効果が出にくかった場合の対応について検討する。事例研究として報告し、特に難治性トゥレット症の方に対する行動的介入について検討する論文を執筆、投稿する予定。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響によって、学会がオンラインになったため、旅費がかからなかった。また、研究の遅延が生じたため、英語論文の執筆のための英文校閲費やオープンジャーナルに出すための出版費が今年度に支払えなかったが、次年度に英語で論文を作成し、投稿、受理に必要な資金が必要となる見込みである。また、昨年度は介入研究を手伝ってもらうための謝金に多くの資金が必要となる見込みであったが、その計画が研究の遅延によってずれ込んだため、次年度に資金を回したいと考えている。
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Research Products
(3 results)