2020 Fiscal Year Research-status Report
Neurocognitive Function and Psychological Assessment in Survivors of Pediatric Brain Tumor
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18K13319
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Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
佐藤 聡美 聖路加国際大学, 専門職大学院公衆衛生学研究科(公衆衛生大学院), 准教授 (50597804)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 小児脳腫瘍 / 認知機能 / WISC-IV / ワーキングメモリー / 感情統制 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児脳腫瘍は難治性の稀少疾患である。発達途上の脳に、化学療法、放射線療法、外科的療法などを組み合わせた集学的治療を行う。そのおかげで生存率は向上するものの、治療後の認知機能障害が懸念されている。認知機能に障害が生じ、日常生活に困難が生じると、程度によっては、生活が一変する。患児の理解力が乏しいために、セルフケアから金銭管理、進学や就労までを親が世話をし続けなければならなくなるからである。 そこで、本研究では小児脳腫瘍の患児の認知機能を測定することにより、各能力の分布を把握する。もし認知機能に何らかの脆弱性が検出されれば、それを日常生活と照合する必要がある。そして、検査でも日常生活でも困難が検出されれば、それに対処する合理的配慮の要請や特別支援教育と連携し、がん治療の後の患児の認知機能の発達を促していくことを考えている。 これまでのところ、ワーキングメモリーの低下が明らかにされつつあると同時に、感情統制の乏しさも懸念されている。ワーキングメモリーは「読み書き」の「読み」に、感情統制は人間関係に影響を及ぼす可能性がある。引き続き、研究を継続し、患児の認知機能の水準とそれによる日常生活の困難を析出していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
感染症の影響により、研究対象者の来院がなくなるなどの変更を余儀なくされた。特に、小児脳腫瘍の治療経験者は感染症に対してハイリスクであるため、研究のための来院を求めることはできない。しかし、感染状況が落ち着いた期間に研究実施可能な施設で、少数ではあるが、研究による検査は継続できている。
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Strategy for Future Research Activity |
継続できている研究症例に対して、感染症のリスクを冒さない範囲で検査の実施を遂行する。また、研究のデータクオリティのコントロールと検査者の手技向上のために、オンラインによる研修会の実施も予定している。
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Causes of Carryover |
感染症の拡大により対象患者との接触制限があるため、予定より研究の進捗が遅れているが、最終年度の研修会をオンラインに切り替えることで、データのクオリティコントロールと検査者の手技向上の研修会は予定通り実施する計画である。
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