2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development and dissemination of a group psychotherapy program for post-traumatic growth in patients with untreatable cancer
Project/Area Number |
18K13327
|
Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
石田 真弓 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (80636465)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 心的外傷後成長 / がん / 集団精神療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、がんの進行・再発に伴い治癒不能と告知されたがん患者の精神的問題に焦点を当て、その心的外傷後成長(Posttraumatic Growth)を目指した集団精神療法プログラムの開発と、研修会等の開催による普及を目指す実践的研究である。 がん患者にとって進行・再発は「治癒不能」を意味し、その破局的な心理的打撃から精神的健康の悪化が指摘されている。しかし、研究者のこれまでの研究から、治癒不能がん患者を対象とした集団精神療法によって、精神状態の維持・改善がはかられ、心的外傷後成長に至る可能性が示唆された。本研究では、心的外傷後成長を生起させる集団精神療法の具体的な要因を明らかにし、治癒不能がん患者の心的外傷後成長を目指した集団精神療法プログラム(GP)を治療法として確立させ、集団精神療法を実施することができた。 研究期間中にはCovid-19の影響もあり、集団精神療法自体の運営にある程度の影響があったが、開催方法の工夫などによって、研究期間中にのべ66回開催され、参加者数はのべ165名であった。集団精神療法実施の構成としては、精神科医・心理士・看護師2名を基本とし、支持医療科・腫瘍内科の医師やその他職種の参加もあり、多職種で取り組んだ。 集団精神療法で取り扱う内容については、ほぼ固定し、がん医療に携わる臨床心理士や精神科医などを対象に研修会を開催し、精神医学的治療の選択肢として普及することに期待する。 本研究の遂行中に生じた、参加者らの身体症状に関する症例報告も行い、身体・精神の両側面から慎重にアセスメントを実施し、精神療法を実施する際の注意点についても確認することができた。
|