2020 Fiscal Year Research-status Report
反応スタイルとメタ受容が抑うつに及ぼす影響に関する統合モデル構築
Project/Area Number |
18K13328
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
島津 直実 帝京平成大学, 健康メディカル学部, 講師 (30549225)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 抑うつ / 反応スタイル / メタ受容 / 認知行動理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
BeckやTeasdaleの認知理論とNolen-Hoeksemaの反応スタイル理論は抑うつが発生し持続する一連のプロセスを部分的に表現していると考えられる。統合モデルの構築を試みた先行研究はあるが,反応スタイルを2因子のみで捉えている,媒介変数を想定していない,1時点データのため因果関係に言及できないなどの問題点を指摘できる。また,反応スタイルと抑うつの間には第3の変数を想定する事ができ,従来2因子で捉えられてきた反応スタイルは4因子で捉えられる事も指摘されている。そこで本研究は,統合モデルの構築を試み,4つの反応スタイルと媒介変数としてメタ受容が抑うつのプロセスに与える影響を明らかにし,将来の抑うつを予測する反応スタイルを特定する事を目的としている。2020年度は,2019年度に行った教育心理学会第61回総会における研究成果の経過発表(島津直実・中村玲子・越川房子(2019)反応スタイルと抑うつの2時点研究)に考察を加えていった。また,反応スタイルの各下位因子が将来の抑うつに及ぼす間接的影響について,1時点で査定された,反応スタイル尺度の各下位因子,二次的受容,およびそれらの交互作用が,2時点での抑うつの程度にどの程度の影響を与えているのかについて,階層的重回帰分析を用いた検討に着手した。2021年度は引き続き分析および考察を加えていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響に伴い,研究を進める上で必要となる文献の入手が遅延し,また,データ分析も予定以上に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
反応スタイルとメタ受容が現在・将来の抑うつに及ぼす諸影響についての因果モデルの構築を試み,全体的・部分的妥当性を検討する。その後,分析結果に対して考察を加え,研究の総括を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響に伴い,研究を進める上で必要となる文献の入手が遅延し,また,データ分析も予定以上に時間を要したため,2020年度の使用計画を2021年度にまわしたことで,次年度使用額が生じた。 2021年度は,詳細な研究計画や研究成果をまとめるために,最新の文献・資料入手が必要となる。また,報告書作成にかかる製本代が必要になる。
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