2019 Fiscal Year Research-status Report
うつ病に対する認知行動療法の治療効果予測因子の検討
Project/Area Number |
18K13329
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
満田 大 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 研究員 (80782226)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 認知行動療法 / うつ病 / 治療効果予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、うつ病専門外来受診者を対象として、うつ病に対する認知行動療法における治療効果の予測因子について検討することを目的としている。具体的には、これまでの認知行動療法の症例を解析し、どの時点が治療効果を高い確率で予測できるのか、治療予測に最適な時点 (Week) の同定を行い、認知行動療法のデータベースをもとに、数理モデルを使って症状の変化ごとの分類を試みると共に、分類によって認知行動療法終了時の転帰を検討することを目的としている。さらには、上記によって予測された患者群の1年後の長期予後について検討することも目指している。 2019年度の計画では、前年度からのさらなる症例の蓄積と治療予測に最適な時点(Week)を同定するための解析と、成長混合分布モデルによる解析の開始を予定していた。2019年度の実績としては、症例の蓄積をさらに進め既存の症例データに加えて、遂行中の臨床試験データからの積み増しを行い、データベースの構築を行った。また、認知行動療法による治療効果が早期に発現する群と晩期に発現する群との違いに着目し、効果発現時期の予測因子について、治療の中間点における他覚的ならびに自記式のうつ病評価尺度の項目から検討した。その結果、治療中間点におけるベック自記式抑うつ質問票(BDI-II)の自己批判、ハミルトンうつ病評価尺度17項目版(HAMD-17)の不安の身体症状の2つの項目が、認知行動療法の効果発現に関する因子として関連が示唆された。これらの項目を考慮した治療介入を行うことで早期に治療効果が得られる可能性が考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在遂行中の臨床試験の進捗がやや遅れている関係で、症例の蓄積は進んでいるものの当初予定していた症例数には達していない状況である。その影響もあり、治療予測に最適な時点(Week)を同定するための解析やその後の解析にも遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
遅れている臨床試験も次年度早々には終了予定となっており、それに伴い症例のさらなる蓄積が可能となる予定である。さらに、認知行動療法を実施する別の臨床試験も開始予定となってり、さらなる蓄積を進めながら、解析開始に向けた準備や統計専門家との検討を行っていく。
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Causes of Carryover |
本年度は人件費を計上し、使用額もおおむね当初の予定通りであったが、購入予定であった解析ソフトが海外からの購入手続きに時間を要したため、次年度に購入する予定となっている。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Neural and Clinical Changes of Cognitive Behavioural Therapy Versus Talking Control in Patients With Major Depression: A Study Protocol for a Randomised Clinical Trial2020
Author(s)
Nariko Katayama, Atsuo Nakagawa, Chika Kurata, Yohei Sasaki, Dai Mitsuda, Shigetsugu Nakao, Sayuri Mizuno, Mire Ozawa, Yuko Nakagawa, Natsumi Ishikawa, Satoshi Umeda, Yuri Terasawa, Hajime Tabuchi, Toshiaki Kikuchi, Takayuki Abe, Masaru Mimura
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Journal Title
BMJ Open
Volume: 10
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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