2018 Fiscal Year Research-status Report
医療領域における多職種協働に向けた心理職によるコンサルテーションに関する研究
Project/Area Number |
18K13331
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
安田 みどり 立教大学, 現代心理学部, 特任准教授 (30807623)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | コンサルテーション / 多職種協働 / 援助要請 / 予防的介入 / コンサルテーションスキル / 対人援助職 / チーム医療 / チーム援助 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、医療領域での多職種協働において、心理職が効果的なコンサルテーションを行うために必要なコンサルテーションのスキルを明らかにすることを目的としている。特に、援助要請の視点および効果的な実践の視点から、それぞれ「コンサルテーションの依頼を促進するためのスキル」と「コンサルテーションの有効性を高めるスキル」に焦点をあて、具体的なスキルおよびその活用について検討を行う予定である。 2018年度においては、コンサルテーションのスキルを測定する尺度について検討を行った。すでにコンサルテーションのスキルの研究が行われている学校・教育領域の先行研究からスキルに関する項目を収集した。その結果、共通するスキルとしては、関係促進のスキルや問題解決のスキルがあり、これらはそれぞれ「コンサルテーションの依頼を促進するためのスキル」および「コンサルテーションの有効性を高めるスキル」と関連すると考えられた。次に医療領域におけるコンサルテーションの研究をもとに、項目内容について検討を行った。その結果、学校・教育領域では、主にスクールカウンセラーによるコンサルテーションのスキルに関する研究が行われているが、医療領域における心理職と他職種とのかかわり方と異なる側面があるため、「コンサルテーションの依頼を促進するためのスキル」についてはその違いを反映させる必要があると考えられた。また問題解決への取り組み方についても、学校・教育領域と医療領域では、役割分担のあり方や専門性への期待が異なることが考えられ、「コンサルテーションの有効性を高めるスキル」の内容に反映させることが検討された。これらの検討に基づき、コンサルテーションのスキルを測定する項目を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年度は、看護師を対象に質問紙調査を実施する予定であったが、実施日について調査協力機関と調整中であり、まだ実施に至っていない。すでに調査用紙は作成済みであり、実施準備は完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度に行ったコンサルテーションスキルの検討から、学校・教育領域と医療領域では必要とされるスキルが異なることが考えられたため、今後、実際に医療従事者に対し調査を実施し、その違いを明らかにする。 医療従事者に対する調査として、看護師を対象に心理職によるコンサルテーションに対するニーズを尋ねるとともに、心理職によるコンサルテーションスキル尺度を作成する。それらの結果をもとに、医療領域におけるコンサルテーションの特徴や医療従事者のニーズを明らかにし、心理職に必要なスキルおよび効果的なスキルについて検討する。その後、スキルを活用した実践のあり方について心理職を対象に調査を行い検討を行う。
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Causes of Carryover |
質問紙調査の実施が完了していないため、調査費用(印刷費・郵送費)および謝金分が未使用となったのが主な理由である。調査実施にあたり、調査費用および謝金として使用する予定である。
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