2022 Fiscal Year Research-status Report
一般小中学生における性別違和感の安定性と心理社会的不適応との関連
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18K13334
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Research Institution | Nagoya University of Arts and Sciences |
Principal Investigator |
浜田 恵 名古屋学芸大学, ヒューマンケア学部, 准教授 (00735079)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 性別違和感 / 小中学生 / 心理社会的不適応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、性別違和感を感じている一般小中学生を対象として、性別違和感とメンタルヘルスや心理社会的不適応との関連、性別違和感が小学校高学年から中学生にかけてどの程度安定しているものか、あるいは変動するものなのかということを明らかにするための研究である。2022年度はこれまでに引き続き、同じフィールドで小学校4年生から中学校3年生までの約5,000名を対象に質問紙調査を行った。性別違和感の安定性の調査のためには、同じ対象者に継続的に調査を行うことは必要不可欠であり、これまでと同規模の調査を継続して行えたことは成果である。性別違和感を測定するための項目に加え、抑うつ・攻撃性というメンタルヘルスに関する項目、友人関係ストレス・家族ストレス・教師ストレス・学業ストレスという心理社会的不適応に関する項目も調査することができた。性別違和感の安定性については、これまで収集した3つのコホートから得られた6年間の縦断調査のデータ約2,000名を用いて、絶対的安定性と相対的安定性という二つの観点から安定性を検討した。その結果、小学生から中学生にかけて性別違和感の安定性が高くなっていく(揺らぎが小さくなっていく)こと、男子よりも女子で安定性が高いことを見出した。また、性別違和感の変化のパターンに関する分析において、性別違和感をほとんど感じない群(74.5%)、3~5年に渡り高い性別違和感を示す2群(2.8%)、1~2年以内の性別違和感の高まりを示す8群(22.6%)が見出された。これらの結果について論文として成果を公表することができた。今後は、こうした群ごとの性別違和感のありようと心理社会的不適応の関連を検討することによって、一般小中学生における性別違和感の理解を深めることが可能となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
性別違和感と心理社会的不適応に関する論文の投稿が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
性の多様性に配慮した制服の変更という社会生活上の変化が全国の各地域で起こっており、本研究の調査協力校も制服の変更が少しずつ始まっている。その変化によって、性別違和感のありようにも変化が起こるのかを今後は検討したい。
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Causes of Carryover |
調査に係る費用を他の研究費から出すことができたため。また、コロナ禍により出張による打ち合わせや学会発表を減らしたため。次年度には、調査のための調査用紙等の印刷費用、結果フィードバックのための印刷費用などに使用する予定である。
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