2022 Fiscal Year Annual Research Report
Longitudinal effects of online social support on parents of children with autism spectrum disorders
Project/Area Number |
18K13347
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山根 隆宏 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (60644523)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | オンラインソーシャルサポート |
Outline of Annual Research Achievements |
自閉症スペクトラム障害などの発達障害のある子どもをもつ親はオンライン上で様々なサポートを得ている実態が明らかになっているが,それらのサポートが親のストレスや精神的健康にどのように寄与するかは十分に解明されていない。そこで本研究は,オンライン上のソーシャルサポートが自閉症スペクトラム障害児の親にとって,効果的なソーシャルサポート源になりえるかについて縦断的に検証することであった。本年度は自閉症スペクトラム障害児をもつ親を対象とした3時点のパネル調査のデータを再分析したところ,他のソーシャルサポート源を統制した上でオンライン上のソーシャルサポートの高さが,1年後の親のストレスの変化を有意に予測し,ストレスの悪化につながることが示された。またA市の障害児通所支援施設を利用している児童の保護者を対象とした横断調査のデータを分析したところ,新型コロナウイルス感染症の流行や収束後に関わらず,オンラインサポートの利用が一定数みられ,縦断調査と同様にオンラインソーシャルサポートを利用する親ほどストレスや精神的健康の悪化がみられた。以上の結果やこれまでの研究成果を踏まえると,オンラインソーシャルサポートは必ずしも親のストレスや精神的健康に寄与するとは限らないが,その背景には親のサポート状況など親側の要因よりも,オンラインソーシャルサポートやオンライン上の情報の質といったサポート提供側の要因の影響が大きいことが考えられ,さらに検証をしていくことの必要性が示唆された。
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