2018 Fiscal Year Research-status Report
不眠障害の生理‐心理‐発達的観点からの病態の解明と心理療法の反応性に関する研究
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18K13355
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
中島 俊 帝京大学, 文学部, 講師 (10617971)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 睡眠障害 / 認知行動療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、不眠障害の病態を生理‐心理‐発達的側面から検討するために、以下の2つの研究立案および実施を行った。 1つ目の研究は、大学生を対象とした不眠に関連する要因を明らかにするための横断調査である。本調査では、都内大学生を対象に不眠の重症度と関連する要因として近年注目されているスキーマ(非機能的なパーソナリティ)を測定し、それと不眠重症度の関連について検討した。その結果、大学生においてはスキーマが不眠重症度と関連を示すことが示された。本研究成果は、第9回世界認知行動療法会議(2019年7月17-20日,ドイツ)にて発表予定である。 2つ目は、不眠症者の不眠重症度を発達的側面から検討することを目的とした20~70代の年齢の者を対象にしたインターネット調査に関する研究である。近年、不眠症状は年齢層によってその重症度と寄与する要因が異なる可能性が指摘されている。本研究では、それらを明らかにするために20~70代の男女800人程度を10歳ごとの年齢層に区分し、年代毎による不眠重症度と関連する要因を検討する。具体的にはインターネット調査会社に登録されている一般モニターに対し、研究の説明を行い、同意が得られた者に対して睡眠や抑うつ、不安、スクリーンタイム等を測定する質問項目への回答を求め、不眠の重症度と関連する要因を検討する。現在、これらの研究は倫理審査委員会に申請中であり、倫理審査委員会の承認を得次第、調査を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では、睡眠外来の患者を対象に不眠の重症度を生理‐心理‐発達的観点から明らかにする研究1つを実施する予定であったが、実施上の制約から研究計画を修正した。一方、その結果、生理的側面から不眠の重症度を検討することは難しくなったものの、大学生を対象とした調査をすでに終了し、現在20~70代といった年齢を対象とした研究の倫理申請中である現在の進捗状況は当初の計画より進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、現在学会発表予定の研究を国内外の主要雑誌に投稿し、現在倫理申請中のインターネット調査は調査の実施を行う予定である。その後は、当初の計画通り、これまでに得られた知見を活かし、不眠症に対する認知行動療法の治療反応性に関する要因を明らかにする研究を実施予定である。
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Causes of Carryover |
本年度に当初予定していた研究計画の見直しを行った。その結果、研究に使用予定だった金額も変更となったため、次年度使用額が生じた。
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