2019 Fiscal Year Research-status Report
認知症高齢者の家族介護者の役割間葛藤及び生活の質の改善要因の解明
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18K13357
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
森本 浩志 明治学院大学, 心理学部, 准教授 (20644652)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 認知症 / 家族介護者 / 役割間葛藤 / エンリッチメント / 介護負担 / アクセプタンス / コミットメント / 注意制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、2018年度に実施した1回目および2回目の調査に引き続き、3回目の調査を行った。当初の計画では郵送調査とWeb調査を行う予定であったが、2018年度に郵送調査を取りやめたため、Web調査のみを行った。その結果、2回目の調査で回答が得られた391名のうち、246名から回答が得られた。 本研究の目的のうち、(1)就労家族介護者のメンタルヘルスに関連する要因(介護及び 仕事における負担と資源、自己効力感や注意制御機能等の個人要因)のうち、エンリッチメントと関連の強い要因を明らかにすること、(2)アクセプタンスと価値に沿った行動が、役割間葛藤及びエンリッチメントの改善につながるかを明らかにすること、の2点について、1回目の調査で回答が得られた747名のデータを用いて分析を行った。 その結果、本研究の目的の (1)については、仕事の負担が多いほど、また仕事の資源のうち職務の裁量度・上司のサポート・組織サポート(介護休暇制度等の利用のしやすさ)が高いほど、仕事から介護へのエンリッチメントが高いことが示された。一方で、介護の負担および資源(ソーシャル・サポート)、個人要因(介護に対する自己効力感)は、介護から仕事へのエンリッチメントと有意な関連は示されなかった。 本研究の目的の(2)については、概ねアクセプタンスの程度が高いほど役割間葛藤が少ないものの、エンリッチメントとは関連しないことが示された。また、価値に沿った行動が多いほど、役割間葛藤が少なく、エンリッチメントが高いことが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度に実施予定であった調査は、概ね予定通りに修了した。また、研究成果の一部を、日本老年行動科学会で発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、引き続きデータ分析と発表を行う。
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Causes of Carryover |
2019年度の郵送調査を取りやめたため、本調査に係る費用が無くなったため。 当該助成金は、2020年度の論文投稿および論文が採択された際のオープンアクセスに係る費用の支出に使用する。
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