2022 Fiscal Year Research-status Report
長期記憶における音声の聴覚表象形成プロセスおよび聴覚表象の性質の解明
Project/Area Number |
18K13376
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Research Institution | University of Human Environments |
Principal Investigator |
西山 めぐみ 人間環境大学, 心理学部, 准教授 (00779770)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 聴覚的長期記憶 / 長期記憶 / 音声 / 間接再認手続き / 偶発学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,視覚的長期記憶に関する研究が急速に進んでおり,視覚刺激の詳細な情報が長期にわたって保持されることが明らかになっている。しかしながら,視覚的長期記憶に比べ聴覚的長期記憶に関する研究は十分に進んでいるとはいえず,英語習得については「日本語母語話者が英語音声の聴覚表象をどのように獲得していくか」という基本的な問いに対しても,いまだ明確な答えが得られていない。本研究は,日本語母語話者における日本語音声と英語音声の記憶表象形成プロセス,および,聴覚表象の性質について検討することにより,聴覚的長期記憶の性質の解明をめざすものである。 研究初年度は①日本語音声刺激として低頻度語および無意味綴を用いて実験を行い,偶発学習条件下で呈示された音声の記憶が3週間後にも保持されていることを明らかにした。令和元年度には②高頻度語の日本語音声刺激,また,③高頻度語の英語音声刺激を用いて実験を行い,研究初年度の研究と同様の結果が得られた。令和2年度は,新型コロナウイルス感染拡大により実験実施が困難であったため当初の研究実施期間の再延長を行った。令和3年度については④低頻度の英語音声刺激を用いて実験を行い,研究初年度および令和元年度の同様の結果が追認された。 令和4年度については,研究初年度より取り組んできた①~④の研究について集団実験により追試を行い,同様の結果が得られることを確認した。また,令和4年度においては日本語話者が区別することの難しい英語音声刺激(例えば,Right/Light)の記憶の長期持続性について検討することを予定していたが,新型コロナウイルス感染症の影響により個別実験の実施が困難であったため,実験に必要となる刺激の収集,刺激統制を目的とする予備調査を実施し実験準備を完了した。令和5年度については,感染拡大防止対策を講じた上で,研究初年度に予定していた計画に沿って研究を完遂する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大の影響により,令和2年度については予定していたすべての実験を中止せざるを得ず,当初の研究実施期間の延長を行った。また,令和3年度,令和4年度においても新型コロナウイルス感染拡大の影響は依然として残り,特に個別実験の実施に支障が生じたために,当初の研究年次計画からは研究の進捗はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度については,当初の研究計画3年度に予定していた計画の通り,日本語母語話者にとって特に識別が困難である英単語(例えば,/right/ と/light/)を用い,これらの音声情報に対応する聴覚表象が,長期記憶においてどのように獲得されるかについて個別実験により検討を行う。なお,これらの実験において,実験条件や手続きの設定に不備が見つかった場合はすみやかに実験を中止し,当該部分を改善した後,再度実験を実施する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により,当初予定していた実験実施および学会参加をやむを得ず中止としたこと,あわせて,実験参加者および専門的助言者に対する謝金が発生しなかったことが挙げられる。令和5年度については,当初計画に従い英語音声を用いた個別実験の実施を計画しており,専門家による助言,実験実施,研究発表など,未使用額はその経費に充てることとしたい。
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