2019 Fiscal Year Research-status Report
記憶抑制による評価低下メカニズムの多面的解明と一般性の検証
Project/Area Number |
18K13377
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
小林 正法 山形大学, 人文社会科学部, 准教授 (60723773)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 記憶 / 抑制 / 忘却 / 価値 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度で行った研究として,画像の評価を指示忘却によって低下させることができるかどうかという検討を行った。指示忘却とは,項目を学習直後に忘れるよう求めることで,その項目の記憶成績が低下するという現象である。指示忘却にはリスト型指示忘却(list-method directed forgeting)と項目型指示忘却(item-mehod directed forgetting)の2種類の手法があり,それぞれ異なるメカニズムが仮定されている。今回は後者の項目型指示忘却を用いて,画像の評価が低下するかどうかを検討した。その結果,忘れるよう求められた画像は記憶成績だけでなく,評価も低下することが明らかになった。したがって,記憶の抑制が忘却だけでなく価値低下を導くことが示されたと言える。 また,本年度の後半は,コロナウイルス対応としてオンラインでの実験実施に向けての準備を進めた。そのためにオンラインで心理学実験を実施するためのjavaScriptライブラリであるjsPsych,lab.jsの習熟を目指した。その過程で,本邦の心理学研究者のためにチュートリアルも作成した。加えて,実際に記憶の抑制がオンライン実験で再現できるかどうかについても検討した。そのために,推測変換無効でひらがな入力・カタカナ入力を可能とするプラグインを開発した上で,ネガティブ語に対する検索誘導性忘却をオンラインで再現できるかを検討した。その結果,先行研究の再現に成功し,オンライン実験によって記憶の抑制に関する研究を実施できる見通しが得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究機関の異動に伴い,研究環境の整備を1から行ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
計画している実験の多くをオンライン実験にて行うことで,当初の計画通りに研究を実施できるよう努力する。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染対策として3月に予定していた研究会への参加を見送ったため,余剰金が生じた。次年度に開催される研究会の旅費として利用する。
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Research Products
(9 results)