2020 Fiscal Year Research-status Report
記憶抑制による評価低下メカニズムの多面的解明と一般性の検証
| Project/Area Number |
18K13377
|
|---|
| Research Institution | Yamagata University |
|---|
Principal Investigator |
小林 正法 山形大学, 人文社会科学部, 准教授 (60723773)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
| Keywords | 記憶 / オンライン実験 / 抑制 / 再現 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本年度はCOVID-19の流行に伴い対面での実験が困難であったため，オンラインでのデータ収集を行うための基盤作りのため，オンライン実験の作成と実施環境の構築を主として行った。具体的には，lab.jsと呼ばれる心理学実験用のJavaScriptライブラリを用いて，オンライン実験の作成を行った。加えて，オンライン実験の作成に関する情報をウェブサイトにまとめることで，他の研究者へ情報提供を行った。また，基礎心理学会大会のシンポジウムに登壇し，オンライン実験作成に関する話題提供も行った。記憶研究をオンラインで実施する場合には日本語入力時にIMEの推測変換が動作することで，記憶テストを実施することが困難であるという問題があった。そこで，IMEを介さずにひらなが・カタカナを入力できるツールを開発した。さらに，開発したツールをオンライン実験で利用できるかどうかを検討するために，オンライン実験によって虚記憶，検索誘導性忘却が再現できるかを検討した。その結果，虚記憶，検索誘導性忘却ともに開発したツールを用いたオンライン実験で再現できた。このことから，開発したツールを用いたオンラインでの記憶研究が実施できることが示された。この成果は心理学研究誌に論文として掲載が決定した。COVID-19流行下においてオンライン実験を可能とすることで，記憶研究の停滞を防ぐという意義のある成果だと考えられる。今後はこのツールを用いて，本課題の研究を進めることを目指す。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19流行下に伴いオンライン実験の準備に注力したため。
|
| Strategy for Future Research Activity |
オンライン実験を実施することで遅れを取り戻せるようにする。また，計画内で対面実験を前提とした実験もオンライン実験に置き換えられないかを検討することで対応したい。
|
| Causes of Carryover |
COVID-19流行に伴い対面実験用の費用や出張費に残余が生じたため。次年度にオンライン実験の謝金などに利用する。
|
