2022 Fiscal Year Research-status Report
Chern classes with modulus and higher structures of algebraic cycles
Project/Area Number |
18K13382
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
甲斐 亘 東北大学, 理学研究科, 助教 (00804296)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 三井の素数定理 / モジュラス付きモチーフ / 素数定理 / Hasse原理 / 有理点 / 多様体 / 導来幾何 / プリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
数体の素元の分布に関する定理である「三井の素数定理」(1957年)をやや精密化したものを証明してプレプリントにまとめた。素数出現のパターンに関するGreen--Tao--Zieglerの定理を数体に拡張するために、この結果が必要と想定している。 数体の場合のGreen--Tao--Ziegler (以下GTZ) の定理の応用として、有理点に関するHasse原理が成り立つような新たなクラスの多様体を与えることができる見込みが強い。Serre, Swinnerton-Dyer, Colliot-Theleneらが過去に、Schinzel仮説という証明できる見込みのない(双子予想をはるかに一般化するような)予想に基づいてこの種の仕事をしている。2014年の論文でHarpaz--Skorobogatov--Wittenbergという3人組がGTZ定理を使って、有理数係数の場合に限り、無条件で成り立つ定理を証明するという快挙を成し遂げている。 有理数係数の場合と異なり、一般の数体の整数環は、単なるアーベル群として見ただけでも階数が2以上であり、環としては単項イデアル整域でないなど、複雑であるため、GTZ定理を数体の場合にどのような形で証明するかという点に選択の余地がある。本応用について考察を深めるうち、数体の場合のGTZ定理はかなり柔軟な形で証明する必要がありそうだと分かった。数論的興味から自然と思われる定式化のGTZ定理の証明をしっかり完成させたあとで、柔軟なバージョンの考察を深める方向に向かうべきだと今は考えている。 そのほかモチーフ・代数幾何関連の研究集会に参加して、導来幾何・プリズムといったテクニックが本研究課題周辺でどのように応用され始めているか情報収集をおこなった。モジュラス付きモチーフの理論も混標数に拡張する試みがされていて要注目だと思った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初はモジュラス付きサイクル複体のニスネビッチ位相によるコホモロジー群を、中心的な対象と考えていた。モジュラス付きモチーフの圏の理論が整備される中、この圏の中で当該コホモロジー群が由緒正しいHom群としてまだ書けていないため、当該コホモロジー群の研究に労力をどのくらい掛けるべきか筆者の中でやや疑念が生じている。 一方、派生したテーマであるGreen-Taoの数体版とその発展において、礎石となるべき「三井の素数定理」の精密な形がしっかり書き下せたのは満足できる成果であった。
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Strategy for Future Research Activity |
アイデアはほぼ出来上がっていて論文としてまだ仕上げられていない移動補題があるので、しっかり書き上げる。 Green-Taoの数体版とその発展の方向性もひきつづき追究する。
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Causes of Carryover |
滞在中であるイタリアでの滞在許可取得手続が煩雑であることにより、シェンゲン域内の他の国での研究集会に出張する機会が制限された。この問題は一時的な ものであるはずなので、次年度は積極的にヨーロッパでのイベントに参加していく。
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