2018 Fiscal Year Research-status Report
Koszul AS-regular algebras in terms of Non-commutative algebraic geometry and Representation theory
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18K13397
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
板場 綾子 東京理科大学, 理学部第一部数学科, 助教 (10801178)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | AS 正則環 / Calabi-Yau 多元環 / 幾何的代数 / Koszul 多元環 |
Outline of Annual Research Achievements |
非可換代数幾何学は量子射影平面の座標環である3次元AS-regular 代数を分類したことから始まった。一般にコシュール AS-regular 代数は、コシュール双対を取ることにより、有限次元多元環の表現論の重要な考察対象である、コシュールなフロベニウス多元環と対応することが知られている。 任意の3次元quadratic AS-正則環は、射影平面の閉部分スキームとその自己同型の組との一対一対応があることが知られている。任意の3次元quadratic AS-正則環の代数的分類が先行研究において未完成であったが、本論文では、幾何とその自己同型の組と一対一対応する幾何的代数の観点からこれを完成させた。すなわち、任意の3次元quadratic AS-正則環の関係式、次数付き代数同型になる条件および次数付き森田同値になる条件を完全に決定した。これは静岡大学の松野仁樹氏との共同研究であり、現在投稿中である。 最近Mori-Smithは3次元quadratic AS正則環Aとregular twisted superpotential の間に一対一対応が存在することを示した。本研究では、任意の3次元quadratic AS正則環に対して、regular twisted superpotentialおよびCalabi-Yau superpotentialの完全なリストを与えた。この応用として、任意の3次元quadratic AS正則環Aに対して, あるCalabi-Yau AS 正則環Sが存在し, AとSは次数付き森田同値であることを示した。 これはAの非可換射影スキームを研究することはSの非可換射影スキームの研究することへ還元できることを示唆する結果である。これも静岡大学の松野仁樹氏との共同研究であり、現在投稿中準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の目標が達成されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の目的は、非可換代数幾何学と多元環の表現論における毛利出氏(静岡大学)の予想を解決することである。「有限次元多元環をcogeometricかつ自己移入的コシュール多元環とする。 このとき、多元環が有限条件(Fg)を満たすことの必要十分条件は、射影空間の部分集合Eの自己同型の位数が有限であることである」。 有限次元多元環が有限条件(Fg)を満たすかどうかの判定には、 計算が容易でないホッホシルトコホモロジー環と米田多元環を決定する必要がある。しかし, この予想が成り立つならば、 比較的計算が容易な幾何的データである射影多様体Eの自己同型sの位数が有限か無限かを調べることに置き換えられ, 判定がしやすくなるという大変有意義な道具となる。 本研究では、geometricかつ4次元quadratic AS-regular 代数のコシュール双対である、radical の5乗が0になるようなcogeometricかつ自己移入的コシュールである有限次元多元環に関してこの予想の解決を目指す。 以前の研究で、radical の4乗が0になるようなcogeometricかつ自己移入的コシュール多元環に関してこの予想の主張を証明している. 4次元のquadratic AS-regular 代数は一般にgeometricでないことが知られている。4次元AS-regular 代数でかつコシュールでgeometricであるような多元環 A=A(E,s)のEの候補としては,射影空間や射影空間内の楕円曲線などを調べる。しかし, これに対応する多元環Aの関係式やA-加群の次数付き圏の構造がどうなっているかなどは分かっておらず, まずはここから調べることにする.
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Causes of Carryover |
今後の研究の目的は、非可換代数幾何学と多元環の表現論における毛利出氏(静岡大学)の予想を解決することである。「有限次元多元環をcogeometricかつ自己移入的コシュール多元環とする。 このとき、多元環が有限条件(Fg)を満たすことの必要十分条件は、射影空間の部分集合Eの自己同型の位数が有限であることである」。本研究では、geometricかつ4次元quadratic AS-regular 代数のコシュール双対である、radical の5乗が0になるようなcogeometricかつ自己移入的コシュールである有限次元多元環に関してこの予想の解決を目指す。 4次元AS-regular 代数でかつコシュールでgeometricであるような多元環A=A(E,s)のEの候補としては,射影空間や射影空間内の楕円曲線などを調べる。しかし, これに対応する多元環Aの関係式やA-加群の次数付き圏の構造がどうなっているかなどは分かっておらず, まずはここから調べることにする. 計画当初の予定より勉強会のサマースクールが多く開催されることとなり,この研究遂行にあたり必要な勉強会であることが判明したため,旅費を次年度使用へと回す必要が生じたため.
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Research Products
(12 results)