2020 Fiscal Year Research-status Report
Koszul AS-regular algebras in terms of Non-commutative algebraic geometry and Representation theory
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18K13397
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
板場 綾子 東京理科大学, 理学部第一部数学科, 助教 (10801178)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | AS 正則環 / コシュール多元環 / Calabi-Yau 多元環 / Beilinson 多元環 / 非可換射影スキーム / AR クイバー |
Outline of Annual Research Achievements |
任意の3次元quadratic AS正則 環Aに対して, あるCalabi-Yau AS 正則環Sが存在し, AとSは次数付き森田同値であることを示した。これはAの非可換射影スキームを研究することはSの非可換射影スキームの研究することへ還元できることを示唆する結果である。本論文は静岡大学の松野仁樹氏との共同研究であり、昨年度投稿していたが、本年度Journal of the Australian Mathematical Society への採択が決定された。
上記の研究の応用として、全ての3次元quadratic AS正則環Aに対して、本研究の意味での「非可換射影平面(Aに付随する非可換射影スキーム)が中心上有限生成になること」と、幾何の自己同型のノルムという概念が有限であることが同値であることを示した。Aが中心上有限生成であることと、幾何の自己同型の位数が有限であることが同値であることを、Artin-Tate-Van den Bergh が証明したが、本研究の結果は彼らの結果の圏論的な意味での拡張であるといえる。さらに本研究結果の系として、幾何の自己同型のノルムが1または無限大であることと, 非可換射影平面がfat point とよばれるA上の加群を持たないことと, 多元環の表現論の考察対象である、Aに対応するBeilinson algebra 上のsimple regular moduleの同型類が幾何でパラメトライズされることが同値であることを得た。本研究は静岡大学の毛利出氏との共同研究であり、現在投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
任意の3次元quadratic AS正則 環Aに対して, あるCalabi-Yau AS 正則環Sが存在し, AとSは次数付き森田同値であることを示し、国際誌へ採択が決定された。この結果は本研究課題の中心テーマのひとつであり、このテーマが完成したためである。さらにこのテーマを応用した結果も得て、投稿することができたためである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策は、本研究課題のもうひとつのテーマに取り掛かる。非可換代数幾何学と多元環の表現論における毛利出氏(静岡大学)の予想「有限次元多元環をcogeometricかつ自己移入的コシュール多元環 とする。このとき、多元環が有限条件(Fg)を満たすことの必要十分条件は、射影空間の部分集合Eの自己同型の位数が有限であることである」を、毛利氏によって導入された射影空間の部分集合Eの自己同型のノルムの概念と、”カテゴリー化した有限条件(Fg)”を導入することで、圏論的に解決できないか考察することである。つまり、「有限次元多元環をcogeometricかつ自己移入的コシュール多元環とする。このとき、多元環が”カテゴリー化した有限条件(Fg)”を満たすことの必要十分条件は、射影空間の部分集合Eの自己同型のノルムが有限であることである」と予想を圏論的なものへ拡張することを試みる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症拡大防止のため,実際に現地に赴いての研究打ち合わせや研究集会などに参加や講演ができなかった。次年度使用分は,2021年に実施する研究打ち合わせの経費に使用する。
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