2021 Fiscal Year Research-status Report
関数体上の多重ゼータ値から見た無限素点と有限素点の関係
Project/Area Number |
18K13398
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
三柴 善範 琉球大学, 理学部, 助教 (70737725)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 多重ゼータ値 / 関数体 / 周期 / t加群 / Carlitz多重ポリログ / 正標数 / 数論 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) vを有限体上の1変数有理関数体の有限素点とする.昨年度までのChieh-Yu Chang氏およびYen-Tsung Chen氏との共同研究では,関数体上の無限進多重ゼータ値が張る線型空間からv進多重ゼータ値が張る線型空間への自然な線型写像が積と可換になることを証明していた.本年度は,この結果をまとめた論文の改訂作業を行った. (2) Chang氏およびChen氏と共同で,無限進多重ゼータ値の間の線型独立性に関する研究を行った.特に,無限進多重ゼータ値が張る線型空間において,Thakur氏が与えた基底の候補が実際に基底になることを証明した.各々の無限進多重ゼータ値をこの基底の線型結合で表すアルゴリズムはNgo Dac氏により既に与えられているので,本結果を用いることで,具体的に与えられた無限進多重ゼータ値の間の線型関係式を完全に決定することが可能となった.また,上で述べた(1)の結果と併せることで,重さを固定したv進多重ゼータ値が張る線型空間の次元の上からの良い評価を与えることができるようになった.得られた結果は現在論文にまとめているところである. (3) 原田氏によって定義された正標数交代多重ゼータ値やその一般化についての研究を行った.特に,正標数交代多重ゼータ値が張る線型空間の生成元を具体的に与えることができた.本結果は無限進多重ゼータ値に対するNgo Dac氏の結果の一般化に当たるが,より明示的なアルゴリズムを与えるとともに,証明の簡略化にも成功している.得られた結果は現在論文にまとめているところである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
無限進多重ゼータ値が張る線型空間の基底を与えるという大きな結果を得ることができた.さらに,そこからv進多重ゼータ値が張る線型空間の次元の上からの良い評価を与えることができたため,本区分とした.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に得られた結果をまとめた論文を完成させ,雑誌に投稿する.また,それらの一般化およびv進多重ゼータ値が張る線型空間について,引き続きChang氏およびChen氏との共同研究を進めていく.v進多重ゼータ値の間の線型独立性を調べる際には,無限進多重ゼータ値に対して得られた具体的なアルゴリズムが有効であると考えており,詳細な考察を行っていく.共同研究は本年度と同様に毎週のオンラインでの議論により進めていくが,可能であれば数週間ほど台湾に滞在して直接議論を行う.
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Causes of Carryover |
本年度は新型コロナウイルス感染症の影響で,予定していた研究集会への現地参加および共同研究のための台湾への出張を見送った.また,世話人を務めたThe 9th East Asia Number Theory Conferenceがオンラインでの開催になった.そのため,旅費や開催費として使用予定であった費用が不要となり,次年度使用額が生じた.次年度は研究集会に従来通り参加していく予定であり,繰り越し分はその旅費および図書の購入に充てる.
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Research Products
(3 results)