2022 Fiscal Year Annual Research Report
Structure Analysis of a Category of Cohen--Macaulay Modules by the Representation Scheme
Project/Area Number |
18K13399
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Research Institution | National Institute of Technology (KOSEN), Kure College |
Principal Investigator |
平松 直哉 呉工業高等専門学校, 自然科学系分野, 准教授 (20612039)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 極大Cohen-Macaulay加群 / 加算表現型 / 関手圏 / 退化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は前半では極大コーエン・マコーレー(MCM)加群の退化について考察した。具体的には退化の推移性について、成り立たない例の構成を検討した。退化の推移性についてはTakahashi[2019]があるが、実施に成り立つかどうかは未解決である。これまで研究代表者が用いてきたMCM加群の行列表示の手法を候補となる例(1次元D加算表現型超曲面環)に適用したが、残念ながらこれまでの手法では判別できない(退化があっても良い)ことがわかった。これはYoshino[2011]で指摘されている、退化を定義するために拡大した環が局所環にならないことに起因すると考えられる。後半では直既約なMCM加群の集合(べき集合)に対してKrause[1997]の類似を考察し、関手圏に由来する位相構造を導入することに成功した。 本課題ではMCM加群の同型類のなす集合に退化の関係による位相構造の導入、次数つきMCM加群の加群多様体の加算表現型への応用、また加算表現型を持つ超曲面環上のMCM加群の安定圏のKrull-Gabriel次元の計算を行った。退化の関係による位相構造の考察ではいくつかの場合に既約閉集合を計算し、基礎環が有限表現型でなくても有限個の既約閉集合で分解できることがあることを示した。次数つきMCM加群の加群多様体の考察では加算表現型をもつ次数付きCM環上では次数付きMCM加群の階数を固定すると高々有限個しか存在しないことを示した。Krull-Gabriel(KG)次元の考察ではMCM加群の安定圏の関手圏に対してそのKG次元を計算し、有限表現型を持つ場合のKG次元は0、加算表現型超曲面環の場合には2になることを示した。この結果は任意の次元で得られているが、それにはクネーラの周期性によるKG次元の振る舞いを考察していることで得られている。実際、クネーラの周期性によってKG次元は不変である。
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