2021 Fiscal Year Research-status Report
高次元線形表現のモジュライ空間と3次元多様体の分解
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18K13404
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北山 貴裕 東京大学, 大学院数理科学研究科, 准教授 (10700057)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 3次元多様体 / 位相不変量 / 表現 / 交叉形式 |
Outline of Annual Research Achievements |
高次元線形表現のモジュライ空間の幾何学の低次元トポロジーへの応用を基礎付け、当研究領域を育成することを目的として研究を行った。当該年度は、基本群の表現に付随する位相不変量の新しい応用として、特に、Blanchfield形式を用いた結び目の4次元種数の評価を追究した。 結び目の位相的整4次元種数は、結び目を境界に持ち、補空間の基本群が無限巡回群であるような、4次元球体に局所平坦に埋め込まれた曲面の最小種数である。FellerとLewarkは、結び目の位相的整4次元種数の2倍が、変数tに1を代入して得られる行列の符号が0であるような、Blanchfield 形式の表現行列の最小サイズに等しいことを示した。Stefan Friedl氏とMark Powell氏との共同研究において、我々は、FreedmanとQuinnの球面埋め込み定理を用いて、FellerとLewarkの定理のより直接的な別証明を与えた。 また、Thurston normの研究に関するサーベイ論文を執筆した。3次元多様体のThurston normの基本性質についてまとめ、論文の主要部においては、Thurston normと様々な位相不変量との関係について説明した。関連話題についての幾つかの予想や問題も挙げた。 なお、一昨年度より本研究課題を基課題とする研究課題「線形表現の高次元変形による本質的曲面の分布と複雑さの研究」(18KK0380)を実施している。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、特に出張を伴う研究活動が大きく制限されたが、ドイツ・レーゲンスブルク大学のStefan Friedl氏を主な共同研究者として、国際共同研究を進展させている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新たな方向への研究の展開として、ねじれ交叉形式及びねじれBlanchfield形式に着目した、基本群の表現に付随する不変量の4次元トポロジーへの応用研究が着実に進んでいる。また、予定していた、SL_3-指標多様体の無限遠点に対応するSeifert多様体内の分岐曲面を構成する研究も進めているところである。 新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、出張を伴う研究活動が大きく制限されたため、本研究課題を基課題とする研究課題「線形表現の高次元変形による本質的曲面の分布と複雑さの研究」(18KK0380)とともに、補助事業期間の延長を行った。当研究課題の本研究への寄与も期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
ドイツのレーゲンスブルク大学に研究滞在し、トーション不変量、ねじれ交叉形式及びねじれBlanchfield形式の更なる応用研究について、Stefan Friedl氏を含む研究グループと密接な研究打ち合わせを行う。また、本研究のテーマに基づいた(オンライン)セミナーを企画し、研究領域の育成・発展を図る。これまでに得られた成果を講演等により積極的に発信することを心掛け、研究を更に深める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、当初予定していた研究打ち合わせ及び情報収集のための国内外の出張を行えなかったために、次年度使用額が生じた。 本研究の遂行上必要になる専門書籍、パソコン周辺機器、文具を購入するための費用として支出し、また、研究打ち合わせ及び情報収集のための旅費として支出する。
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Research Products
(7 results)