2023 Fiscal Year Research-status Report
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18K13408
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
清水 達郎 東京電機大学, システム デザイン 工学部, 助教 (00738859)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Chern-Simons摂動論 / 配置空間積分 / Reidemeister torsion / simple loop / ホモロジー球面 |
Outline of Annual Research Achievements |
Chern-Simons摂動論はChern-Simons量子場の理論を背景とする数学であり,本研究の主たる研究対象であるCasson不変量に幾何学的な描写を与える.そのためChern-Simons摂動論と関わる不変量や現象に特異点論的な解釈を与えることを試みている.Chern-Simons量子場の理論を背景とする数学はReidemeister torsionと関連する,あるいはその情報を含んでいることが自然に期待される.したがってChern-Simons摂動論もReidemeister torsionと何らかの形で関係していることが期待され,実際にいくつかの場合に示されている.具体的には表現が可換で多様体のベッチ数が1以上の場合には完全に関係が知られている.また,昨年度までの研究で非可換な場合にも両不変量は同じ手術公式(多様体の切り貼りに関するふるまいを記述した式)を満たすことが分かっている. 本年度も昨年度に引き続き両不変量の関係を明らかにする研究を遂行し,「多様体のベッチ数が0で表現がアーベルの場合」にChern-Simons摂動論中にReidemeister torsionが現れることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在Chern-Simons摂動論とReidemeister torsionの関係について目下研究中である.両者は多様体とその「基本群の表現」の不変量を与え,その間に対数関数を用いて記述できる関係があると期待している.「基本群の表現」が可換な場合にはほぼ研究は完成したのだが,のこす「非可換」な場合はその扱いは一般に難しく,具体的に計算できる例も少ない為,その情報収集および計算例の構築・解析に時間を要している.
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Strategy for Future Research Activity |
上述の通り「非可換な表現」に対するデータを集積・解析することで示すべき主張を明確にしていく.また,別のアプローチとして双曲多様体に関する両不変量の計算を行い,解析をしていく.
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Causes of Carryover |
研究計画に若干の遅れが生じているため,情報収集に関わる旅費・物品購入の費用が当初予定よりも少なかった.次年度に当初計画された研究を継続するが,その費用として使用する予定である.
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