2021 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of statistical mechanical models evolving in random media
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18K13423
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中島 誠 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 准教授 (60635902)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | KPZ方程式 / DPRE / 確率熱方程式 |
Outline of Annual Research Achievements |
ランダム媒質中のディレクティドポリマー(DPRE)と呼ばれる確率模型がある. これは不純物を含んだ溶媒の中で高分子を生成した場合の成長する様子を確率分布を用いて記述する模型である. 溶媒中に漂う不純物はランダムであり, その影響により不純物を含んだ溶媒中の高分子の形状は純溶媒中で生成された高分子とは異なる形状となることがある. このような形状の変化はある種のパラメータ(逆温度)による自由エネルギーに関する相転移と対応していることが知られている. 2021年度は1次元DPREの自由エネルギーの高温度における挙動の特定をおこなった. この結果は自身による先行結果の進展である. 先行結果では不純物の影響を記述する確率分布に技術的な仮定を与えていたが, 今回の結果により技術的な結果を取り除くことに成功した. このために有向パーコレーションと呼ばれる確率模型へ議論を帰着させる手法を用いた. また同時にDPREと関連する模型としてKPZ方程式と呼ばれる模型についても研究した. KPZ方程式はCole-Hopf変換を用いて形式的に乗法的確率熱方程式(SHE)に帰着されることが知られている. 一方で高次元の場合にはSHEの解が定義できないためKPZ方程式の解を定義できていない. 2021年度は2020年度までに行なってきたノイズを正則化した高次元SHEの解の摂動についてL2領域の外での解析をおこなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2020年度までに当初の計画以上の結果が得られていた. 2021年度も確率熱方程式に関して新たな研究成果が得られたことでさらなる進展が得られている. またDPREの研究についてもこれまでとは別のアプローチにより当初の計画以上の結果が得られたことで非常に満足のいく結果が得られている.
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Strategy for Future Research Activity |
乗法的確率熱方程式のL2領域の外での摂動のより詳細な解析を行うことが一つの目標である. このためにはこれまでとは異なるアプローチで研究を行う. また同時にKPZ方程式の摂動についても研究をおこなっていく. これはCosco-Nakajima-Nakashimaの論文の手法のように連続化DPREに帰着させたのち解析を行っていく. ただしL2領域で用いた解析とは別の手法の解析を見つける.
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Causes of Carryover |
新型コロナの影響により当初予定していた出張が全て実行できなくなり使用計画に多大な影響が出た. 2022年度は研究を遂行上必要な図書や計算機およびその周辺機器を購入する予定である. また2022年度からは研究打ち合わせや研究集会のために国内出張をおこなっていく予定である.
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Research Products
(5 results)