2022 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of statistical mechanical models evolving in random media
Project/Area Number |
18K13423
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中島 誠 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 准教授 (60635902)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | KPZ方程式 / 確率熱方程式 / ディレクティドポリマー |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は3次元ユークリッド空間から1点を除いた領域上でラプラシアンを考えその$L^2$での自己共役拡大について研究した. このような作用素の自己共役拡大は量子力学において重要な役割を果たし実際に今回考えた問題に対してもすでに具体的なものが与えられている. 一方でその拡大はラプラシアンの短距離相関によるノルムレゾルベント収束の意味で近似できることも知られていた. 本研究ではこの近似を確率論の意味で読み直したFeynman-Kac公式から解析することを試みた. その結果拡大したラプラシアンに対応する確率過程のようなものが構成できた. 特にBrown運動とは特異で原点に無限回到達するようなものを構成することに成功した. また研究期間を通じて研究を振り返ると, 申請時の目標とは異なる方向へ研究が発展していった点は否めないが, 高次元確率熱方程式(SHE), KPZ方程式といった正則構造理論などの特異な確率偏微分方程式への理論ではまだ解明できていない分野に関して研究を行った. 特異な確率偏微分方程式を考える際には近似および繰り込みの手法が必要になるが, SHEやKPZではこの繰り込みによって解が自明なものに収束するような領域(weak disorder)とそれ以外の領域(strong disorder)に分かれることが知られている. 研究ではweak disorderの中でも特に$L^2$-領域と呼ばれる領域において近似解の摂動について解析を行うことに成功し, さらにそれらが満たす確率偏微分方程式を導き出した. その他にも1次元directed polymersの自由エネルギーの高温度での漸近挙動の完全な確定なども行った
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Research Products
(8 results)