2021 Fiscal Year Annual Research Report
Research on strongly correlated random fields related to stochastic processes
Project/Area Number |
18K13429
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
阿部 圭宏 千葉大学, 大学院理学研究院, 講師 (50814109)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 2次元random interlacement / 2次元離散トーラス / late point |
Outline of Annual Research Achievements |
2次元離散トーラス上の単純ランダムウォーク(SRW)をその被覆時間(すべての点を訪問し尽くすまでの時刻)の直前まで走らせたとき, 決して原点に到達しないという条件付けを考える. その条件付きSRWの軌跡と2次元random interlacement のカップリングを構成し, 前者を後者で局所的に近似できることを示した. 2次元random interlacementは, 条件付きSRWの軌跡の何らかの情報を与えてくれるだろうと期待されて, Comets-Popov-Vachkovskaia (2016)によって導入された確率モデルである. 実際, 条件付きSRWと2次元random interlacement の関係を示唆する結果は同論文で挙げられていたが, これら2つのモデルを直接結び付ける結果はなかった. 本研究は, 2つのモデルを同一確率空間上で構成し, 高確率で局所的に両者のある包含関係が成り立つことを示すことで, 2つのモデルのより強い関係性を示した. このカップリングにより, 条件付きSRWの軌跡の研究への2次元random interlacementの応用がより進むことが期待される. 証明では, Popov-Teixeira (2015)のsoft local timeという手法を用いて, 両者のカップリングを構成した. この手法は2つのマルコフ連鎖の軌跡のカップリングを構成するための非常に汎用性のあるものであり, 本研究でも有効であった. 今後は, このカップリングを応用して, 条件付きSRWが訪問していない点(late point)の個数を評価し, late pointがクラスターを形成することを示す予定である.
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