2021 Fiscal Year Research-status Report
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18K13431
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
伊藤 悠 京都産業大学, 理学部, 准教授 (70779214)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ラフパス理論 / 複素解析 / 非整数階微積分 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は引き続きラフパス理論の基礎研究に取り組み、ラフパス理論における線積分(ラフ積分)に関する研究成果を得た(以下の(2))。詳しくは、M.Gubinelli(2004)によるラフ積分について、以下の(1)に取り組む中で(2)に着目し研究成果を得た。 (1) ラフ積分の明示的表現を用いた、積分区間に関する加法性の証明 (2) ラフ積分の後ろ向き表現に対する明示的表現の導出
(1)はこれまでの研究を推し進めるものであり、ラフパス理論における微分方程式の基礎研究及びその応用研究のために重要であると考えている。本年度は引き続き、実解析的手法だけでなく複素解析の視点からも証明に取り組んだ。(2)について、Riemann-Stieltjes積分に対しては、M.Zaehle(1998)が非整数階微積分に基づいた前向き積分と後ろ向き積分を導入したが、この前向き積分をラフ積分に拡張したものがHu-Nualart(2009)や研究代表者のこれまでの研究であり、この後ろ向き積分をラフ積分に拡張したものが(2)であるとも考えられる。ラフ積分の明示的表現では、左側型と右側型の非整数階微分作用素が用いられるが、それらを入れ替えたような式として前向き積分と後ろ向き積分が結び付き、ラフ積分の後ろ向き表現が導出される点が興味深い。ラフ積分の後ろ向き表現の拡がりについては今後の課題であるが、線積分の基本的性質であるとともに、ラフ積分の明示的表現を理解する上で意義があると考えている。(2)に関して論文1件、講演2件の研究発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に則った研究活動を行い意義ある研究成果が得られた。研究成果を論文として纏め学術雑誌に投稿した。また、研究成果を国内研究集会及び国内学会で発表した。これまでの研究成果の一部は、査読付き論文として学術雑誌に掲載された。以上より、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は引き続きラフパス理論の基礎研究、特にラフパス理論における線積分及び微分方程式に関する研究を行い、本研究を推し進める。得られた研究成果の確率解析への応用を期待しているが、当初想定しなかった展開があれば、本研究の方向性について柔軟な対応をとることで、研究遂行に支障をきたさないよう努める。
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Causes of Carryover |
口頭発表、情報収集、研究打合せを行うための国内外の出張旅費が必要であったが、新型コロナウイルスの影響により、次年度以降に延期となったため、次年度使用額が生じた。次年度出張旅費とする計画であるが、引き続き柔軟に対応したいと考えている。
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Research Products
(3 results)