2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K13434
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Research Institution | Fukushima National College of Technology |
Principal Investigator |
飯田 毅士 福島工業高等専門学校, 一般教科, 准教授 (60633435)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Morrey空間 / Orlicz-Morrey空間 / Orlicz極大作用素 / 分数冪極大作用素 / Orlicz分数冪極大作用素 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度では,Morrey空間,Orlicz-Morrey空間上のOrlicz分数冪極大作用素の有界性を研究した.Morrey空間上におけるOrlicz極大作用素の有界性に関する条件については, 論文Sawano, Y., Sugano, S., Tanaka, H.: Orlicz-Morrey spaces and fractional operators, Potential Anal. 36, 517-556(2012)で詳細に調べられているが,Orlicz分数冪極大作用素に関する必要十分条件に関しては調べられていなかった. 論文Cruz-Uribe, D., Moen, K.: A fractional Muckenhoupt-Wheeden theorem and its consequences,. Integral Equ. Oper. Theory 76(3), 421-446(2013)により, Lebesgue空間上のOrlicz分数冪極大作用素の有界性が成立するための十分条件が示されていたが, 当該前年度において,申請者と澤野嘉宏教授との共著論文, Orlicz-fractional maximal operators on weighted L^p spaces, J. Math. Inequal. 13(2), 369-413(2019)により, Orlicz分数冪極大作用素のLebesgue空間上の有界性が成り立つための必要条件が判明した. 当該年度において,Morrey空間上の分数冪積分作用素の有界性として知られるAdamsの不等式,Olsenの不等式をOrlicz分数冪極大作用素の有界性へ一般化するための十分条件について研究した.日本数学会2019年度秋季総合分科会実函数論分科会,実解析シンポジウム2019においてOrlicz-fractional maximal operators in Morrey and Orlicz-Morrey spacesという講演題目で講演発表を行った.なお,単著論文として2020年1月に掲載決定の連絡を受け取り,2020年5月にオンラインで出版された(Takeshi Iida, Orlicz-fractional maximal operators in Morrey and Orlicz-Morrey spaces, Positivity, published in online, DOI: 10.1007/s11117-020-00762-w).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度においては,福島工業高等専門学校における担任業務上の進路相談等の学生の個人面談・保護者面談や,低学力の学生への補講等,考えている以上に暗黙の業務が多かったため,研究活動に時間を割けなかった.また,学内の行事日程や保護者との面談の日程調整の都合上,研究集会への出張を見送る場合が多かった. 2019年度末になり新型コロナウイルス感染症のため日本数学会2020年度年会の中止に伴って,予定していた講演も中止となった.そのため,2020年度に引き続き,当該の研究活動を行うことになったが,現時点では,遠隔授業の準備に,膨大な時間と体力がかかっているため,ほとんど研究活動にまで手が回っていないのが現状である.
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度はOrlicz 分数冪極大作用素に対するMorrey空間, Orlicz-Morrey空間上の重み付きノルム評価の問題についての論文をまとめたいと考えている.既に2019年度までに問題自体は概ね解決済みであると考えているが,遠隔授業等の学内の急激な業務の変化に伴って,論文としてまとめるために必要とする時間と体力が割けるかについて見通しが立っていない状態である.その代わりに担任業務は2019年度に完了したので,遠隔授業の準備の目途さえ立てば,研究活動を推進することができると考えている.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症のため,日本数学会2020年度年会が中止となったため,予定していた日本数学会実函数論分科会における講演発表も出来なくなってしまった.そのため,福島工業高等専門学校から日本大学理工学部への出張旅費が残ってしまったため次年度使用額が生じている. 当面の使用計画は,2021年3月に行われる日本数学会2021年度年会(開催場所:慶応義塾大学)への出張旅費としての利用を計画している.
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Research Products
(3 results)