2021 Fiscal Year Research-status Report
非圧縮性粘性流体の領域摂動に関する諸問題の数理解析
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18K13439
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
牛越 惠理佳 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 准教授 (20714041)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ラメの方程式 / 固有値 / 領域摂動 |
Outline of Annual Research Achievements |
極端なアスペクト比をもつ棒状の3次元等方弾性体の両端を固定した場合,すなわち両端にディリクレ境界条件を課した場合の固有値の漸近挙動についてより詳細な議論を行った.さらに弾性体の片方のみを固定した,ディリクレ境界条件とノイマン境界条件を課した場合の固有値の漸近挙動については,先行研究である神保-Rodriguez Mulet(2020)の手法を基に,ディリクレ境界条件を課した場合の結果を用いることで詳細な解析が可能となった.これらの結果を論文にまとめた. さらに,3次元の滑らかな有界領域の,体積を保存するような正則な摂動に対して,ディリクレ境界条件を課した非定常ストークス方程式の基本解がどのように摂動するのかについて考察を行った.より具体的には,基本解の領域依存性を表すパラメータに関する連続性と,微分可能性および一次の係数を明示的に表したアダマール変分公式の導出について,より厳密な解析をおこなった.基本解の特異点近傍での挙動を制御した関数は,非斉次の非定常ストークス方程式の解となっており,変分公式の導出にはアプリオリ評価による領域摂動パラメータに関する一様評価の導出が鍵を握る.その際,Solonnikov(2007)にあるアプリオリ評価の適用が重要となる.そこで本問題については,Solonnikov(2007)のアプリオリ評価を用いることで,基本解の特異点近傍での挙動を制御した関数の領域パラメータに関する評価式を導出し,さらに外力や境界条件の領域依存性の解析を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
領域摂動問題についてこれまで考察してきた非定常ストークス方程式の基本解の領域依存性の解析に,より詳細な議論が必要であることが分かり,Solonnikov(2007)のアプリオリ評価を用いて議論を進めることが出来た.さらに,3次元弾性体の固有値の漸近挙動の解析について弾性体の両端に固定した場合と片方のみ固定した場合の双方について,詳細に議論をした結果を論文にまとめ投稿した.
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Strategy for Future Research Activity |
非定常ストークス方程式の基本解の領域依存性の解析についてより議論を進めていく.さらに,領域摂動における流体力学の基礎方程式の問題について考察をしていく.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染防止の観点より,参加予定であった研究集会がリモート開催や中止となったり,対面での研究打ち合わせの機会がなくなってしまった. 次年度においては,研究計画を推進させるために,コロナウイルスの感染状況を注意深く確認しながら,対面での研究打ち合わせの実施やリモート環境の整備,また,研究集会へ参加し最新の研究成果に関する情報を収集する.
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Research Products
(6 results)
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[Book] 微分積分学概論2022
Author(s)
茨木貴徳・牛越惠理佳・竹居正登・原下秀士
Total Pages
246
Publisher
培風館
ISBN
978-4-563-01239-7