2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K13444
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
戍亥 隆恭 大阪大学, 理学研究科, 助教 (70814648)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 消散型波動方程式 / Strichartz評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、非線形消散型波動方程式の解の大域ダイナミクスの解明を目的としている。 そこでまず、本年度はエネルギー臨界な非線形項を持つ非線形消散型波動方程式の局所解の存在および初期値が小さい時の解の振る舞いについて調べた。この非線形方程式を研究するに当たって、まずは線形の消散型波動方程式の解に対する時空間評価、いわゆるStrichartz評価をまずは証明した。今回得られた結果によって、消散型波動方程式のStrichartz評価は、熱方程式の性質と波動方程式の性質を合わせ持っていることが明らかになった。具体的には、Strichartz評価が成立するための条件となる許容対の条件が熱方程式と類似しており、一方で熱方程式では生じ得ない微分の損失が波動方程式と同様な形で生じることが明らかになった。さらにこのStrichartz評価を非線形問題に応用することで、エネルギー臨界な非線形項を持つ非線形消散型波動方程式の、エネルギー空間内の局所解の存在を証明し、初期値が十分小さい時には、時間無限大で解がゼロに減衰することを証明することができた。また、変分法の議論を応用することで、初期値が大きい場合には有限時間で爆発する解が存在することも証明できた。 加えて本年度は、共同研究によって、端点Strichartz評価が成立することも証明した。さらにこの端点Strichartz評価を用いることで、エネルギー臨界な非線形項を持つ非線形消散型波動方程式の解の無条件一意性を証明することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、Strichartz評価を証明でき、非線形消散型波動方程式の解の存在および小さな解の減衰を明らかにできた。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画通り、定常解未満での解の大域挙動の初期値による分類に挑戦する。
|
Research Products
(4 results)