2018 Fiscal Year Research-status Report
Statistical modeling for circular data in ecological and environmental science
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18K13459
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
井本 智明 静岡県立大学, 経営情報学部, 助教 (20749296)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 方向統計学 / シリンダー上分布 / 地震 / 離散型分布 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度には、裾の重い直線変量に対応するためのシリンダー上確率分布を構成した。この研究では、Abe and Ley (2017)で考えられているWeiSSVMモデルを基にした一般化ガンマ混合を考えることで、Pareto分布のような裾の重いデータに対応できるモデルを導出し、直線上変量における外れ値に対してロバスト性を持つシリンダー上確率分布を構成した。実際に提案モデルを東日本大震災に関する震源とマグニチュードデータに当てはめることで、大きな観測値であるマグニチュード9.0というデータだけに影響されることなく、大地震発生直前のメカニズムを見出すことができた。この研究内容については、EcoSta2018で国際発表を行っており、さらにJapanese Journal of Statistics and Data Scienceでの論文雑誌掲載が決定している。 次に、 円周上確率分布の離散化モデルについての研究を行った。この研究では、風向のように丸めた数値で得られる角度データに対応するためのモデル構成法を提案した。この提案手法を利用し、丸めた円周上データに対するモデルの推定と当てはめ精度の評価を、シミュレーション実験を通して与えた。その結果、データを18分割以下にした場合(方角データで言うところの、東・東北東・東北・・・のようなデータ)には、連続型の確率分布をそのまま利用するよりも、提案した離散化手法によって構成した確率分布を利用した解析の方が推定と当てはめ精度が良いことが示された。この結果については、4th ISM International Statistical Conferenceにて国際発表を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目に計画していた柔軟な円周上確率分布構成の研究の進捗が遅れたが、3年目に計画していたシリンダー上確率分布の研究の方が順調な研究を行えたため、計画順序は逆転してしまったが、おおむね研究は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和1年度には、平成30年度に提案した離散化手法を利用して構成される離散型円周上確率分布を用いて、実データへの当てはめ解析を行い、その実用性を示していく。 また、研究計画段階では平成30年度に行う予定であった、幾何学的発想を用いた平均・集中度・尖度・歪度に柔軟な円周上モデル構成のための研究進展を目指す。
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Causes of Carryover |
共同研究者との研究議論のための出張を行う予定であったが、キャンセルになってしまったため、その旅費分の差額が生じてしまった。このキャンセルになってしまった研究議論を次年度に行うために差額分を使用する。
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