2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K13487
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
逵本 吉朗 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所量子ICT先端開発センター, 研究員 (80807470)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 量子光学 / 量子通信 / 量子暗号 / 非線形光学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、単一光子間の和周波発生(SFG)を用いた量子もつれ交換高度化の世界初の原理検証実験を目標に研究を行っている。この目標を達成するためには、量子もつれ光子対の高効率な生成・検出システムの確立と、高効率かつ安定なSFGモジュールの作成を含めた量子インターフェースを開発することが必要である。 今年度は、周期分極反転ニオブ酸リチウム導波路(PPLN/W)をサニャック干渉計へ組み込み、高輝度量子もつれ光子対源および高効率なSFGモジュールを開発した。まず、中心波長 775nmのモードロックレーザでPPLN/Wを励起し、量子もつれ光子対を生成した。次に、得られた光子対を中心波長1535nm/1565nm・波長幅0.9nmの周波数フィルタで狭窄化し、この帯域内での同時検出レートを超伝導単一光子検出器(SSPD)で検出した。量子もつれ光子対の検出レートは最大で1.4MHzに達し、光子対の高効率な生成・検出システムの確立に成功した。この成果については現在論文を執筆中である。また、SFGモジュールの立ち上げを行った。92%以上という非常に高い効率でレーザ光を結合させることに成功し、第二高調波発生(SHG)の規格化変換効率1129 [%/W]を得た。これにより、SFGモジュール単体で見ても先行研究よりも高いSFG変換効率を有していることを確認した。 さらに、PPLN/Wにより生成したSHG光を励起光源として応用し、非常に大きい平均光子数(1程度)を有する量子もつれ光子対の生成に成功した。これまでの研究で、この様な量子もつれ光子対を用いることで、その非局所性を最大限に利用することができるというシミュレーション結果を得ており、その予測を実験的に裏付けることに成功した。この成果については米国物理学会誌Physical Review Aに掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通り、量子もつれ光子対の高効率な生成・検出システムと、高効率なSFGモジュールの立ち上げに成功した。特に、量子もつれ光子対については、バルク結晶の場合の1000倍程度の変換効率を実現しており、次の目標である単一光子間のSFGを現実的な実験時間内で観測できる試算である。また、実験系の設計・構築も着々と進めており、当初の計画通り順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度内に、量子もつれ光子対源二基とSFGモジュールの立ち上げを完了できたので、今後これらを組み合わせて単一光子間のSFGを実施していく予定である。具体的には、まずそれぞれの量子もつれ光子対源に追加の励起光を入力し、DFGを生成することでそれらの間のSFGを検出する。この時のSFGの検出レートから、量子もつれ光子対源を励起するモードロックレーザの繰り返し周波数や強度を最適化する。続いて、追加の励起光を遮断し単一光子間のSFGを観測する。最後に、SFGを利用した量子パリティチェックにより、量子もつれ交換高度化の原理検証実験を目指す。
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Causes of Carryover |
国際学会旅費を別の予算から執行したため次年度使用額が生じた。これは次年度の旅費で使用する予定である。
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Research Products
(6 results)