2019 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of Bose-Einstein condensation of triplet exciton in cobaltites
Project/Area Number |
18K13493
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池田 暁彦 東京大学, 物性研究所, 助教 (90707663)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 強磁場 / 磁歪 / ファイバーブラッググレーティング / 電磁濃縮法 / 三重項励起子凝縮 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、スピン状態自由度を有する酸化物であるLaCoO3に対して、磁場によってスピンクロスオーバーを誘起する研究を行った。本研究の目的は、これまでの研究によって明らかになっていたコバルト酸化物LaCoO3における超強磁場誘起新規相の起源を探ることである。超強磁場中に2つの異なる相があることまでは明らかになっていた。これらの磁場誘起相の起源として、スピン状態の空間的な結晶化による「スピン状態結晶状態」やスピン状態のボーズ凝縮に対応する「励起子凝縮状態」が候補としてあげられていた。
従来われわれが行っていた超100テスラ領域における磁化測定では、あまり違いが現れなかった。本課題ではスピン状態の新たなプローブとして磁歪を用いることを着想し、100テスラ領域で使用可能な磁歪プローブを開拓した。ここではファイバーブラッググレーティングを用いたひずみ計測技術を応用し、その計測スピードを従来比2000倍の100メガヘルツまで高めることで、マイクロ秒の短時間しか発生できない100テスラ級強磁場中での磁歪計測を実現した。
本課題で開拓した磁歪計測技術を応用し、コバルト酸化物LaCoO3の超強磁場中磁歪計測を行った結果、超強磁場中に2つの異なる相はどちらも磁歪のプラトーを示すことが明らかになった。ここから、LaCoO3の2つの超強磁場相は「スピン状態結晶状態」のバリエーションであると考えることができるようになった。この詳細に関して現在論文投稿中である。
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Research Products
(2 results)