2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K13515
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
川口 喬吾 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 理研白眉研究チームリーダー (00787319)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 細胞集団運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
アクティブマター分野においては、2次元系の理論・数値シミュレーション・実験系が多く研究されているが、生体内での細胞集団や細胞骨格系のダイナミクスの多くは3次元系である。本研究では、アクティブマター物理の生体内現象の理解や制御を視野に入れるため、3次元系における細胞集団運動の研究を実験・理論両面から進めていく。特に本研究では、液晶や細胞骨格系などのやや人工的な例に頼らず、細胞集団運動の3次元動態をin vitroで観察し解析することを狙っている。実験系としては、2次元培養条件下ではネマチック相や半渦に対応するトポロジカル欠陥といった液晶と同様なパターンを生じる、神経幹細胞を用いている。
2020年度は、3次元系で見られるパターンを説明するための基礎材料を探るべく、低密度環境での細胞間相互作用について研究を進めた。特に細胞同士がほとんど触れ合わない環境下においても、細胞が時計周りに旋回運動していることに注目し、このキラリティが細胞骨格系の阻害剤によりどのような影響を受けるのかを調べた。結果として、この一細胞レベルのキラリティは阻害剤による影響をほとんど受けないことがわかり、細胞密度が高い状況での結果との違いが明らかとなった。さらに、細胞密度が低い環境下からネマチックパターンが出るまでの長時間にわたるライブイメージングの条件を検討し、おおむね成功した。これにより、細胞密度が増えていく中で細胞間相互作用がどう変化していくのかを定量できるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞間相互作用のキラリティ関して、思いがけない発見があった。
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Strategy for Future Research Activity |
3次元系におけるマクロパターンレベルでのキラリティの現れを定量化し、細胞流との関連を明確にしていく。
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Research Products
(7 results)