2022 Fiscal Year Annual Research Report
New picture of meson-nuclear states probed by few-body systems
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18K13545
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
山縣 淳子 京都産業大学, 理学部, 教授 (90548215)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | エキゾチック原子核 / K中間子原子 / ハドロン多体系 / 強い相互作用 / 量子色力学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、中間子が原子核に束縛された中間子原子核を対象とし、将来の中間子原子核研究を見据えて、10年後に得られるであろう実験の系統性と実験データの精密化を考慮した中間子原子核の理論的探求を行うことを目的としている。 今年度は、J-PARC E62実験で得られた非常に精度の良い4He, 3Heに対するK中間子原子のデータより、K中間子ー原子核間相互作用の情報を引き出した。具体的には、K中間子ー原子核間ポテンシャルが原子核密度に比例する形であると仮定をして、実験データを再現するパラメータを求めた。その結果、4He, 3Heに対するK中間子原子のデータを再現するポテンシャルは2種類に絞られた。さらに、そのポテンシャルがこれまで得られている多くのK中間子原子の実験データをどの程度再現するのか調べたところ、実部が比較的浅く、虚部が大きいポテンシャルが広範囲の実験データを再現することがわかった。今後は、この結果を基に、(1)2つのポテンシャルの違いがより観測しやすいK中間子原子状態の同定、(2)K中間子原子核状態との関連性の解明を行う予定である。 現在、上記研究内容について論文にまとめており、まもなく投稿する見込みである。 研究期間全体を通して、4He, 3Heに対するK中間子原子状態からK中間子ー原子核間相互作用の情報を引き出すことを目指した。精度の良い実験データが得られたことにより、ポテンシャルの実部と虚部の関係がどのようにK中間子原子状態に影響を及ぼすのか明らかにすることができた。
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Research Products
(2 results)