2021 Fiscal Year Annual Research Report
Extension of the supernova equation of state to Lambda hypernuclear system by using a variational method
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18K13551
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
富樫 甫 東北大学, 理学研究科, 助教 (70733939)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 一様核物質 / 状態方程式 / ハイペロン / 超新星爆発 / 中性子星 / 変分法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ラムダハイペロン粒子の混合を考慮した高温・高密度核物質の状態方程式を生のバリオン間相互作用に基づいて作成し、得られた状態方程式を中性子星や重力崩壊型超新星爆発などの高密度天体シミュレーションへと適用することである。さらに、本研究で構築した状態方程式の数値テーブルはweb上で公開し、世界中の研究者へ提供することを予定している。 最終年度となる2021年度の研究では、前年度までに構築した数値計算プログラムを利用して、実際の天体シミュレーションで必要となる幅広い密度・温度・陽子混在度をカバーした高密度物質状態方程式の数値テーブルの作成に取り組んだ。従来の天体シミュレーション用ハイペロン物質状態方程式の作成手順を踏襲し、バリオン分布が一様となる低密度一様ガス相と高密度一様物質相においては、ラムダハイペロン混合を考慮したバリオン物質の熱力学量をクラスター変分法によって計算した。 一方で、原子核が現れる非一様相については、ラムダハイペロン混合を考慮せず、従来の核物質状態方程式を利用してシミュレーション用状態方程式テーブルを完成させた。最終的に完備したハイペロン物質の熱力学量と粒子組成は、様々な熱力学状態において妥当な振る舞いを示しており、非一様相においてハイペロン混合を考慮しない上記の処方についても、その妥当性を確認することができた。 さらに当該年度では、完成した状態方程式テーブルを用いて、重い親星モデルから出発した簡易的な重力崩壊の流体シミュレーションも行った。その結果、ハイペロン混合に伴う状態方程式の軟化によって、コアバウンスからブラックホール形成までに要する時間が、通常の核物質状態方程式を用いたシミュレーションに比べて、短くなるという結果も得られた。今後は、構築した状態方程式テーブルの最終確認が終了次第、その数値データをweb上で公開することを予定している。
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Research Products
(10 results)