2020 Fiscal Year Research-status Report
新光検出システム確立で目指す大型ニュートリノ・核子崩壊検出装置の高性能化
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18K13559
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
西村 康宏 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (40648119)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 検出器較正 / ニュートリノ / 光検出器 / 光源 / 核子崩壊 |
Outline of Annual Research Achievements |
ニュートリノ・核子崩壊物理を探る次世代の「ハイパーカミオカンデ」計画を、最良の性能と感度と共に実現するため、開発された新型光電子増倍管の本来の性能を、実際に用いる較正精度と共に明らかにする。高精度で性能を最大限に引き出すためには、検出時間を高分解能で実測する必要があり、この較正のために光を一様に照射できるデフューザーボール光源が必要となる。非一様な角度分布で光が放出され、時間のばらつきが生じる従来の光源より、高濃度で小さいデフューザーを実現するため、最適な設計を調査した。 本年度は、デフューザー部の酸化マグネシウム粉末の濃度と時間幅・拡散光分布の関係を見積もり、適切な大きさと濃度を見積もった。厚みと濃度の異なる円板を複数用意し、パルス光源からの短波長光を当て、時間分解能が十分高いマルチピクセルフォトンカウンタでデフューザーを介したパルス時間の広がりと光量の散乱を測定した。想定より高い100,000 ppm濃度の樹脂が必要と分かり、3 cm径前後で次回試作を進めることとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
使用する光ファイバーの評価と選定が遅れている。 デフューザーの最終設計が定まったが、製造に時間を要することになったため、翌年度に製作することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
球状のデフューザー光源を試作し、光の拡散分布と時間幅を調べる。水中で使用できる光源に仕上げ、光電子増倍管の較正精度を見積もる。
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Causes of Carryover |
光源に用いる樹脂の製作に時間を要するため、翌年度に繰り越した。 最終設計として光ファイバーと球形のデフューザー部を組み合わせ、水中で使用可能な光源を製作する。
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