2018 Fiscal Year Research-status Report
Ultracold neutron storage experiment with the pulsed ultracold neutron source and a cyclically operating valve
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18K13563
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
今城 想平 名古屋大学, 理学研究科, 特任助教 (10796486)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 超冷中性子 / シミュレーション / センサー |
Outline of Annual Research Achievements |
開閉弁の性能評価や入射中性子速度の事前見積もりにおいて重要となるシャッター板の開閉タイミング測定を目的として、物体の有無を検出する反射型レーザーセンサー E3NC-LH02 を用いた測定装置を作成した。このレーザーセンサーは最小 80μs で応答し、ミリ秒スケールで開閉するシャッター板のタイミング測定に対して十分な性能を持っている。シャッター開閉に使用する矩形の電圧信号とこの装置が出力するシャッター板端の通過時刻に対応した電圧信号との時間差をオシロスコープで読み取ることでシャッター板の通過時刻を決定する。作成したレーザーセンサーの読み出し回路はセンサーの検出信号と立ち上がりが同期した時間幅 3μs のパルス信号を出力するため、中性子の飛行時間測定においてよく用いられる時間-デジタル変換器を用いれば開閉タイミングの周期的安定性を自動測定して解析することもできる。 超冷中性子(UCN)貯蔵では容器中での粒子の取りうる経路が多いほど貯蔵数密度が向上するため、粒子の経路を散らす非鏡面反射を考慮することが貯蔵数密度の評価において非常に重要である。この非鏡面反射をシミュレーションに導入するために代表的な反射モデルである Micro-roughness 効果に関する既存の論文に基づいて非鏡面反射アルゴリズムを作成した。Micro-roughness 効果はシミュレーションソフト Geant4 にパッケージが存在しているが、過去研究で作成したシミュレーションとの相性やシミュレーションに動的な部品を組み込むことを考えて自作を選択した。動作テストとして J-PARC/MLF BL05 実験での UCN 輸送シミュレーションにこのアルゴリズムを組み込んで正常に動作することを確認した。現在はステンレス容器による UCN 貯蔵シミュレーションの制作を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画当初は過去に作成した UCN シャッターを開閉弁テスト機に転用して実験機会を増やす方針であったが、平成30年度末に機関異動があり開発時間を十分とることが出来なかった。またこの場合はテスト実験用のガイド管や変換フランジを実機実験に転用するのが難しいこと、実機の高性能化や実験において特殊形状のガイド管の導入を検討するために開発費を実機関連装置に集中させたいことから、予算を温存し計画内容を実機開発とそれを用いた実験のみに変更している。 令和元年度の計画に必要なシミュレーション開発、センサー作成と、過去に UCN シャッターを制作した業者との開閉弁の実機作成のための設計打ち合わせは行えたことから、やや遅れているとみなした。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度始めにシミュレーションを用いて開閉弁実機の要求スペックを決定し、当該年度秋までの完成を目指して実機の制作に移る。本年度に作成したセンサーを用いて実機スペックを評価したのち、開閉弁実機を用いて当該年度冬に UCN 貯蔵実験を行う。貯蔵実験では弁の直前にたとえば漏斗形状のような集光ガイド管を導入し、貯蔵容器への UCN の封入圧力を増加させ、実効的な貯蔵数密度を向上させる試験も行う。
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Causes of Carryover |
開発計画の遅れと、翌年度に行う開閉弁実機開発と実験準備に予算を集中させる計画変更により余剰金が発生した。開閉弁の実機制作、開閉弁専用の UCN ガイド管、真空ダクト等の制作に残りの助成金を使用する予定である。その後の予算状況を見つつ、可能であれば UCN 貯蔵容器の再研磨なども検討する
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