2020 Fiscal Year Annual Research Report
Relation between the large-scale structure of the universe and galaxy evolution revealed by the extremely wide-field imaging of Subaru
Project/Area Number |
18K13575
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
利川 潤 東京大学, 宇宙線研究所, 特別研究員 (90760778)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 原始銀河団 / 遠方宇宙 / 銀河進化 / 銀河団形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
銀河は周囲の環境から強い影響を受けながら進化していることが知られており、銀河進化の理解には宇宙の構造形成の観点からの研究も不可欠である。また、遠方宇宙に遡ることで、銀河進化・宇宙の構造形成の現場を直接的に調べることも重要である。この目的を達成するためにHSCサーベイというすばる望遠鏡の戦略観測を用いた原始銀河団探査を行った。 HSC戦略観測は予定されていた観測がほぼ完了に近づき、これまでにない非常に広い領域の可視撮像データが取得された。最新のHSC戦略観測のデータに基づき、現銀河団候補カタログの更新を行った。特に今年度はUltradeep/Deep領域での原始銀河団探査を重点的に行なった。その質の高いデータを使うことで、Wide領域では探査できないようなより遠方の原始銀河団探査を行った。Ultradeep/Deep領域は合計で約30平方度の広さであり、そこからr-dropout銀河の数密度が有意に高い領域が41領域存在することを確認した。これらは赤方偏移5の原始銀河団候補と考えることができる。HSC戦略観測の広い撮像データを用いることで2つの原始銀河団候補が近くに存在する場合や、原始銀河団候補から伸びるように中程度の密度領域が存在しているなど、特徴的な宇宙の大規模構造を示唆するような銀河分布を同定することができた。そこですばる望遠鏡に新しく搭載されて観測装置SWIMSを使った近赤外撮像観測を提案した。この観測により銀河の星質量を正確に決めると同時に、HSCによる可視光観測では検出できないような星形成を終えてしまったような銀河の探査を目標としている。この観測提案は採択され2021年4月に観測時間が割り当てられている。本研究によって構築された原始銀河団候補のサンプルは様々な研究や追観測の提案へと活用されている。
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Research Products
(8 results)